芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑦ ユーティリティー

[ 2023年3月3日 12:00 ]

芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑦ ユーティリティー
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 フェアウエーウッドとアイアンの中間のクラブであるユーティリティーは、使いこなすことができるようになると、コースマネジメントの幅が一気に広がります。芹澤信雄プロによれば、無理にボールを上げようとする動きだけは絶対に避けるべきとのこと。やはり、クラブの性能に任せるのが一番であり、今回はそのための打ち方を教えてもらいましょう。パートナーはチームセリザワの林菜乃子プロです。 動画で見る・芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑦

 芹澤 昔はユーティリティーというクラブはなく、フェアウエーウッドの次は普通にアイアンでした。僕も2番、3番アイアンを使っていたので、今回は林プロに打ち方を説明してもらいましょう。

 林 えっ!?(笑い)、昔はユーティリティーがなかったんですね。ちょっと驚きですが、頑張って打ち方を説明したいと思います。まず、アドレスですが、基本的にアイアンショットと同じだと考えましょう。ボールをスタンスの真ん中よりも1個分左に置いて、肩幅ぐらいのスタンス幅で構えます。フェアウエーウッドと同じぐらいに広げてしまうと、ミート率が悪くなるので要注意です。

 芹澤 アドレスはアイアンだけど、持っているクラブはユーティリティーという感じですね。

 林 そうです。ただし、打ち方はアイアンではなく、フェアウエーウッド寄りになります。

 芹澤 ボールの上から打ち込む意識はないということですね?

 林 はい。アイアンショットのようにクラブヘッドをボールに上からぶつける意識は一切ありません。ボールの横から払い打つイメージです。と言うのも、ユーティリティーには、1Wやフェアウエーウッドと同じようにカーボンシャフトを入れている人が多く、スイング中にクラブのしなりが入るからです。鋭角に打ち込むよりもゆっくりとクラブを振ったほうが、ミート率は高くなります。

 芹澤 クラブをゆっくりと振るためのコツはありますか?

 林 芹澤さんが以前に説明された、トップ・オブ・スイングで間をつくることですね。〝イチ、ニーの、サーン〟で打ちます。〝イチ〟で構えて〝ニー〟で上げて〝の〟がトップ・オブ・スイングでの間になります。あとは〝サーン〟でフィニッシュまで振り抜くだけです。

 芹澤 間をとるにはいい方法だと思いますよ。林さんのユーティリティーはソールが広いウッド型なので、横から払う打ち方に合っています。一般的にはこのタイプが多く、林さんと同じようにボールを無理に上げようとせず、インパクトではボールよりも顔が後方に位置する形を意識してクラブを振りましょう。体重移動するよりもその場で体をターンさせた方が、ソールが芝の上を滑ってボールを捉えてくれます。ただ、ユーティリティーにはもう一つのタイプがあるんです。

 林 アイアンに近い形のものですね?

 芹澤 正解です。アイアン型ユーティリティーと呼ばれていますが、ウッド型よりもソールの幅が狭いので、払い打つよりもボールの上からヘッドをぶつける打ち方が適しています。まさにアイアンと同じ打ち方ですよね。

 林 どちらのタイプが良いんですか?

 芹澤 正直、好みによります。一般的には、フェアウエーウッドが得意な人はウッド型を、アイアンが得意な人はアイアン型を使うのがいいでしょう。実際に打ち比べても良いと思います。

 (取材協力・チームセリザワゴルフアカデミー)

 ◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年(昭34)11月10日、静岡県御殿場市生まれの63歳。公式戦の96年日本マッチプレーなどツアー通算5勝。指導者として高い評価を受け太平洋クラブ御殿場コース内で「チームセリザワゴルフアカデミー」を運営。門下生に藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかり、林菜乃子らがいる。2022年から日本プロゴルフ協会の副会長も務める。TSI所属。

 ◆林 菜乃子(はやし・なのこ)1997年(平8)5月17日生まれ、神奈川県出身の25歳。6歳でゴルフを始めクラーク記念国際高3年時に神奈川県アマ、関東高校選手権4位。18年プロテスト合格。20~21年に6試合でベスト10に入りメルセデス・ランキングで52位と飛躍。昨季は同ランク57位。ツアー自己最高位は6位。ユピテル所属。

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