佳純 リベンジ8強!パリ五輪に向けて逆襲スタート「最後まで諦めずに粘って戦えた」

[ 2023年1月28日 04:40 ]

卓球全日本選手権 第5日   女子シングルス6回戦 ( 2023年1月27日    東京体育館 )

女子シングルス6回戦で勝利し、喜ぶ石川佳純(共同)
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 女子シングルス6回戦で、2年ぶり6度目の頂点を目指す石川佳純(29=全農)が、昨年敗れていた加藤美優(23=吉祥寺ク)に4―3で逆転勝ちし、8強入りを決めた。来年に迫ったパリ五輪代表争いでは、選考ポイントランキングで現在7位。4大会連続五輪に黄信号がともっている状態だが、選考会を兼ねている今大会での大きな1勝から逆襲を開始する。

 女子シングルスで歴代3位タイの優勝5回を誇る石川が、勝利の瞬間はまるで初々しい10代のように、両手を突き上げて感情を爆発させた。1―3と土俵際に追い込まれた第5ゲームから、不屈の闘志で3ゲーム連取し、昨年も同じ6回戦で対戦し敗れた加藤にリベンジ。「最後まで諦めずに粘って戦えた。今日は自分を褒めていいと思う」と満面の笑みを浮かべた。

 現役の日本女子選手では誰よりも大舞台を踏んできた29歳は、勝因を「気持ちが一番大きい」と言い切った。1―3と追い込まれた後は「作戦よりも自分を信じて勇気を持っていこう」と切り替え。第5、6ゲームはいずれも13―11で奪い、「振り抜いていった」とウイニングショットはフォアを叩き込んだ。

 例年は連戦続きで迎える全日本も、今大会は約2カ月ぶりの実戦。29歳とベテランの域に達した石川には実戦勘よりも休養と準備期間としてプラスに働いた様子で「時間があったので、相手選手の対策もしっかりできた。そこが踏ん張れた大きな要因になった」と語る。3年ぶりに完全な形での有観客となった会場にはファンも詰めかけ、後押しする拍手も味方に付けた。

 パリ五輪代表争いでは早田が164点で首位を快走。石川は87点で7位と、4大会連続出場に黄信号がともった状態だ。いまは五輪への思いを封印するが、もちろん4度目の大舞台を完全に諦めたわけではない。「少しチャンスが見えてきて、どんどん広げて、最終的に勝てた」というこの日の熱戦のように、可能性がある限り、パリへの挑戦を続ける。

 ▽パリ五輪代表の選考方法 来年の全日本選手権までの指定された選考会や国際大会で、順位に応じて与えられるポイント合計が多い男女各2人がシングルス代表に選出される。選考会は今大会や5月のトップ32(神奈川・平塚)、5月の世界選手権、9月のアジア大会などが対象。選考ポイントは時期の遅い大会ほど高い傾斜配分となっている。今大会は優勝60点、準優勝50点、4強40点、8強25点、16強10点、32強5点。団体戦代表の男女各1人は、シングルス代表決定後に選考される。東京五輪では世界ランキング上位2人がシングルス代表に選ばれた。

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