車いすテニス・国枝氏を継ぐ逸材 16歳・小田凱人が全豪OP快勝発進「自信はあった」

[ 2023年1月25日 04:00 ]

テニス全豪オープン第9日 ( 2023年1月24日    メルボルン )

車いすの部男子シングルス1回戦でサーブを放つ小田
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 車いすの部シングルス1回戦が行われ、男子は第3シードの小田凱人(16=東海理化)が世界ランキング15位のケーシー・ラッツラフ(24=米国)を6―1、7―5で破り、準々決勝に進出した。22日に現役引退を表明した国枝慎吾氏(38=ユニクロ)の後継者と期待される逸材が好発進。三木拓也(33=トヨタ自動車)、真田卓(37=凸版印刷)も1回戦を突破した。

 持ち味のパワーを見せつけた。小田は第1セットは開始から5ゲーム連取で圧倒。第2ゲーム途中に雨で約1時間30分中断したが、集中力を保った。第2セットは3―5と追い込まれながら4ゲーム連取。サービスエース5本、ウイナー25本を決め「自信はあった。数多く、今まで巻き返したので2セットで終わらせる気持ちだった」と振り返った。

 プロ転向からわずか半年余りの昨年11月にシングルス年間成績上位8人で争うツアー最終戦NECマスターズを史上最年少で制覇。国枝氏に「これからの車いすテニス界は凱人を中心に回ると思う。スケールがデカい」と言わしめた逸材だ。国枝氏との対戦成績は4戦全敗。昨年10月の楽天オープン決勝では初めてフルセットにもつれる大接戦を演じたが、金星を逃した。

 競技を始めたきっかけでもある憧れの存在に勝つ夢はかなわなかったが「自分が頑張らないと。世代交代という責任感を感じている。(国枝氏は)欠点がどこを探してもない。もっと見習いたい」と力を込めた。大会前に「16歳でグランドスラムを獲る」と宣言。5月8日に17歳の誕生日を迎えるため、今大会が16歳でグランドスラムを制すラストチャンスとなる。4大大会シングルス通算28勝を誇るレジェンドの記録を追う旅が始まった。

 ◇小田 凱人(おだ・ときと)2006年(平18)5月8日生まれ、愛知県一宮市出身の16歳。9歳の時に左股関節に骨肉腫が見つかり、サッカーから車いすテニスに転向。21年にジュニア世界ランキングで史上最年少14歳11カ月18日で1位に就いた。昨年4月に車いすテニス国内最年少の15歳11カ月20日でプロ転向。4大大会デビューとなった同年6月の全仏オープンで4強入りした。左利き。身長1メートル75。

 ◆全豪オープンテニスはWOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドでは全コートライブ配信

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2023年1月25日のニュース