貴景勝が阿炎を指名して三番稽古 優勝決定戦で敗れた悔しさ「忘れずに前を向いて」冬巡業四日市場所

[ 2022年12月14日 15:14 ]

冬巡業四日市場所で三番稽古を行った貴景勝(中央)と阿炎(撮影・前川 晋作)
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 大相撲冬巡業が14日、三重県四日市市の四日市市総合体育館で行われた。大関・貴景勝(26=常盤山部屋)は、九州場所で三つ巴の優勝決定戦を争った幕内・阿炎(28=錣山部屋)と8番取って6勝2敗だった。

 幕内力士の申し合い稽古中に貴景勝が土俵に入ると、九州場所の優勝力士・阿炎を指名して三番稽古。「やりたいと思ったから」とやはり意識する“因縁の相手”だった。「もう先場所は帰ってこないので、また来場所に向けて頑張っていこうと。悔しさを忘れずに前を向いてやっていました。稽古と本場所は全然違うけど、肌を合わせることは必要だと思うので」。初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)で綱獲りを目指すためにも、九州場所の雪辱を果たさなければいけない相手という認識はあるはずだ。

 互いに得意とする突き押しの展開の他にも、立ち合いから差しにいってもろ差しで寄り切るなど幅広い取り口を見せた。「せっかく稽古なので、いろいろなことをやろうと思っていました」と理由を説明。得意のスタイルは保持しつつ、試行錯誤しながら“阿炎対策”を練った。

 貴景勝は、この冬巡業期間で大関・正代(31=時津風部屋)や関脇・若隆景(28=荒汐部屋)ら上位陣とも積極的に稽古を重ねた。「実りのある巡業になったと思います」と充実感。「みんなで盛り上げる巡業なので、お客さんが喜んでくれればいいなと思っていました」と、横綱不在の中で看板力士としての責任感をにじませた。巡業部副部長の入間川親方(元関脇・栃司)は、この日で全8日間の日程を終えた冬巡業全体を振り返り「横綱不在で心配したけど、貴景勝が良い稽古をして締めてくれた」と称賛の声を贈った。

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2022年12月14日のニュース