阿部詩 4年ぶり3度目V 右膝負傷も「最後まで諦めずにできた」 世界選手権代表に内定

[ 2022年12月5日 04:45 ]

柔道グランドスラム東京大会最終日 ( 2022年12月4日    東京体育館 )

表彰式で笑顔の阿部詩(撮影・白鳥 佳樹)
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 男女計8階級が行われ、女子52キロ級で東京五輪金メダルの阿部詩(22=日体大)が4試合を勝ち抜き、大阪開催だった18年以来、4年ぶり3度目の優勝を果たした。今年10月の世界選手権を制している阿部は、全日本柔道連盟の内規により、来年5月の世界選手権(ドーハ)代表に内定。今大会は出場していない兄・一二三(25=パーク24)との五輪2大会連続兄妹金メダルへ、一歩前進した。

 10月の世界選手権からわずか2カ月弱。あえて自身に強行軍を課し、気力も尽くして乗り越えてみせた。大会2週間前には右膝を負傷するなど万全ではなく、欠場も「頭をよぎった」と言いながら、4試合を勝ち抜き優勝。「最後まで諦めずにできた。地力が上がったかな」とほほ笑んだ。

 同じく世界選手権を制した兄の一二三は、今大会を欠場。実績を考慮すれば、同様の選択をしても世界代表選出は濃厚だったが、「ここを乗り越えれば、さらなる進化につながる」と出場を決意。この日の4試合で本来の豪快な担ぎ技は鳴りを潜めたが「メンタルだけは集中しようと」と気持ちで乗り切った。

 五輪直後に両肩を相次いで手術し、復帰時期も見通せない不安の中でスタートした一年も、終わってみれば「人生の中でも(最も)濃い一年だった」。観客席で応援した兄よりも先にパリへ近づき、「連覇できるように準備したい」とその目を輝かせた。

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