【玉ノ井親方 視点】正代は期待されて今の相撲だから、何かを変えないとダメ

[ 2022年11月22日 20:06 ]

大相撲九州場所10日目   ●正代(寄り倒し)豊昇龍○ ( 2022年11月22日    福岡国際センター )

<九州場所10日目>豊昇龍(上)に寄り倒しで敗れた正代 (撮影・成瀬 徹)
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 正代は腰が高いし、棒立ちになると何もできなくなる。豊昇龍戦はどちらが大関か分からないと言われても、仕方がない一番だった。豊昇龍は変わりながらまわしを取りにくるかと思っていたが、まっすぐに当たって踏み込んできた。差されても構わずに前に出る感じで、攻めが厳しかった。

 対照的に正代は差しにいっても腰が高いから、簡単に押されてしまう。土俵際で逆転の突き落としを狙ったものの、残せる足がなかった。合口の悪さもあるのだろうが、豊昇龍の強さだけが際立った。

 良いときもあれば悪いときもあるのが相撲。ただ、正代は優勝して大関になって、周りから期待されてここまできたのに、今の相撲のままでは先が見えている。左右どちらの四つでも良いので、差して前に出る相撲を取るとか、立ち合いでもっと下から入っていくとか、何かを工夫しないとダメ。自分のスタイルを変えていかないと、このままズルズル後退していくだけだ。

 豊昇龍はこの白星で、終盤戦に向けてさらに気持ちが乗っていくだろう。現状、賜杯争いの最短距離にいるのは間違いないが、何が起きるか分からないのが相撲の面白さ。13日目からの3日間が本当の勝負になる。(元大関・栃東)

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2022年11月22日のニュース