玉ノ井親方 器用な錦富士 自分の形をつくるべき、理想は相手を突き起こしながら差す相撲

[ 2022年11月22日 05:05 ]

大相撲九州場所9日目 ( 2022年11月21日    福岡国際センター )

錦富士に突き落としで破れた阿炎(撮影・中村 達也)
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 【玉ノ井親方 視点】師匠が厳しい部屋からは、やはり良い力士が出てくる。2敗を守った錦富士は体が大きくなって、粘り腰が出て、急速に地力をつけてきた印象だ。

 阿炎戦は決して自分の相撲を取れた感じではなかった。立ち合いでまわしをさぐりにいったが、相手の突きに押され上体がのけ反るようになった。それでも、右に回り込みながら突き落として逆転勝ち。阿炎の上体に足がついてこなかったのが幸いした。

 錦富士は組んでよし、離れてよしと、どちらでも取れるタイプ。差し手も左右どの四つでも取れるが、安定した相撲を取るには、何か一つ自分の形をつくり上げた方が良い。理想は相手を突き起こしながら差す相撲だろう。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)は照ノ富士らを育てた名伯楽。部屋の稽古相手には恵まれているので、このまま気を抜かなければ十分、上を狙える。(元大関・栃東 スポニチ本紙評論家)

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