19歳慶大生、女子62キロ級・尾崎がパリへ名乗り 東京金の川井友破り連覇で世界切符

[ 2022年6月20日 05:30 ]

レスリング 明治杯全日本選抜選手権最終日 ( 2022年6月19日    東京・駒沢体育館 )

<全日本レスリング選抜選手権>女子62キロ級決勝、川井友(右)を下して優勝し、ガッツポーズする尾崎(撮影・木村揚輔)
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 世界選手権(9月、セルビア・ベオグラード)選考会を兼ねて6種目が行われ、女子62キロ級では尾崎野乃香(19=慶大)が2連覇を果たし、2年連続の代表に決まった。決勝では初顔合わせだった東京五輪金メダリストの川井友香子(24=サントリービバレッジソリューション)に3―1で勝利。5人が出場した五輪メダリストに唯一の土を付け、2年後のパリ五輪代表に堂々と名乗りを上げた。

 相手のチャレンジが失敗となって勝利が確定すると、自然と涙があふれた。川井友とは初対戦。相手が五輪以来約10カ月ぶりの実戦だったことを差し引いても、2年後につながる大きな白星だ。「頑張ってきて良かった。1点勝負になろうと、最後には勝つつもりで臨んだ」と胸を張った。

 1点リードを許して迎えた第2ピリオド。2度、30秒間のアクティビティータイムを無失点でクリアし2―1と逆転すると、再開後の54秒間はリードを守り切った。「タックルでポイントを取りたかったが、絶対に勝つためにどうしたらいいかを考えた」。決勝で敗れてもプレーオフで再戦だったが、勝負に徹し、昨年銅だった世界選手権への切符を手にした。

 18年にJOCエリートアカデミー入りし、競技に集中する環境は整っていたが「レスリングは大好きだけど、それだけというのは違うなと。勉強も好き」と昨年4月、慶大に進学。環境情報学部で学びながら、「4年間で(引退後の道を)決めて両立したい」と文武両道を実践する。練習は総合格闘技でも活躍した鈴木隼人氏の指導を受けながら、普段から出稽古。「少しでも恩返ししたかった」とサポートに感謝した。

 パリ五輪の予選は今年12月の全日本選手権が第1ラウンドとなる。半年後、川井友が金メダリストらしい力を取り戻してマットに上がってくるのは間違いない。「満足してはいけない。自分が絶対に(代表権を)守りたいと思う」。まずは世界女王になって、再び最強姉妹の牙城を崩す。

 ◇尾崎 野乃香(おざき・ののか)2003年(平15)3月23日生まれ、東京都出身の19歳。7歳からレスリングを始め、小5で全国制覇を果たすなど頭角を現す。18年にJOCのエリートアカデミー入り。18年ユース五輪では57キロ級で金メダルを獲得。昨年4月に慶大に入学し、12月の全日本選手権では慶大生として62年ぶりに優勝した。1メートル64。

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