【ラグビー】同大・宮本監督「同志社というのは勝たないといけない」名門復活へ大敗から再出発

[ 2022年6月20日 18:57 ]

練習を見守りながら選手たちを鼓舞する同大の宮本監督
Photo By スポニチ

 厳しい状況下でも、同大ラグビー部が長く遠ざかっている関西制覇、そして日本一を目指して歩み始めている。

 19日に行われる予定だった関西大学ラグビー春季トーナメント・関学大―同大戦(関学大第2グラウンド)は直前で中止となり、関学大の棄権によって同大の不戦勝となった。その後、今年2月から指揮を執る宮本啓希監督(35)は選手たちの練習を見守り、取材に応じた。

 「これまで難しい時間が続いてきたんですけど、この間の明治さんとの試合は覚悟を持って攻めることができた。負けはしたけど、スペースをつくって戦えたし、光が見えたことを感じられたので、本当にポジティブでした」

 かつて史上初の大学選手権3連覇を果たした名門も、15年を最後に関西リーグ制覇から遠ざかっている。昨季は4位となり、大学選手権では3回戦で帝京大に24―76と大敗した。新体制となってからも、5月29日には京都ラグビー祭で京産大に19―52、今月5日の春季トーナメントでは立命大に14―57で完敗した。

 ただ、12日に行われた明大との定期戦は19―40。敗れはしたものの、手応えもつかめた一戦だった。「まず僕は、同志社はアタックしないといけないと思っています」。そう語る指揮官は、昨年度までとは違うスタイルを採用している。

 「今、アタックの主流がポッドシステムで、ほとんどのチームがそうだし、昨年度までの同志社もそうだった。でも今は、判断でペアを組んでいくシェイプという形をやっています。体格差などを考えた時に“どうやったらオプションを付けられるか”といったことを考えた末に、新しいことをやるという判断をした。こだわって春からやっています」

 同大卒業後にサントリー(現東京SG)で活躍し、引退後にスタッフに就任。今年2月から出向という形で母校に戻り、自身にとって初めて「監督」という肩書きを背負うことになった。まだまだ課題は山積みながら、フルタイムで指導にあたり、成長を見守っている。

 全体練習は午前6時45分から同8時30分。その後、同9時から午後2時まで授業の合間にグループごとのウエートの時間を、夕方に補強のトレーニングを設けている。全ての練習を終えてからも監督としての作業があり「1日がこんなにも早く過ぎるんだと思う毎日」を過ごしている。

 監督業の難しさと向き合いながらも、明大戦の夜には「2月に来てから初めて良い形で眠りに入れた」と笑う。今後の目標は、もちろん名門復活だ。

 「同志社大学というのは、勝たないといけないので。最初に4回生と話した時に、ずっと獲れていない関西を今年は絶対に獲ると。その先に日本一があるから、と話しているので。絶対に関西を獲るんだというところからスタートしているので、絶対に獲らないといけない」

 7年ぶりとなる関西リーグ制覇、そして38年ぶりとなる大学日本一へ――。選手たちと向き合いながら挑戦を続けていく。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月20日のニュース