平野歩夢が狙い通りの全体1位で決勝進出 大技解禁へ「みんなやってくる。完成度を極めたい」

[ 2022年2月9日 15:29 ]

北京五輪第6日・スノーボード・ハーフパイプ男子予選 ( 2022年2月9日    雲頂スキー公園 )

平野歩夢(ロイター)

 スノーボード男子ハーフパイプ(HP)予選が9日、北省張家口の雲頂スキー公園で行われ、2大会連続銀メダルの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が出場し、全体1位で決勝進出を決めた。

 トップバッターで登場。1回目に87・25点で2位に付けると、2回目はファーストトリックからダブルコーク1440、キャブ(逆)ダブルコーク1440と横4回転のコンボ(連続)に成功。18年平昌(ピョンチャン)五輪の決勝2回目に五輪史上初めて成功させて95・25点をマークし、銀メダル獲得につながった連続技を余裕を持って成功し、貫禄を見せた。

 「1回目決められて良かったという安心感があった。2本目はどうするか。できるだけ上の順位をとれるように意識した。ちょっと着地ミスしたが、何とかつなげたかな」と笑顔をのぞかせた平野。決勝は予選順位の下位からスタートするため、相手の得点を見た上で試技できる最終滑走が有利となる。「前回よりもみんながみんなレベルアップしていると思うので、予選から1本目を決めている人たちは、決勝のスタート順を気にして2本目攻めてくるのかなと思った。できるだけ上の位置をとりたいと思って、できるだけ攻めた」と狙い通りの結果にうなずいた。

 平野歩夢は世界で唯一、斜め軸に縦3回転、横4回転を同時に回る超大技「トリプルコーク1440」を公式戦で2度成功させている。前日にはこの技に加え、ベールに包んだままの新技を披露することも予告している。「(トリプルコーク1440は)みんなやってくると思うので。そこの完成度を極めたいと思っています」と話した。

 弟・平野海祝も含め、日本選手は出場4人全員が決勝に進出した。11日に行われる決勝は、3回の試技のベストスコアで争われる。

 ◇平野 歩夢(ひらの・あゆむ)1998年(平10)11月29日生まれ、新潟県村上市出身の22歳。父・英功さんが地元でスケートパークを運営しており、4歳からスケートボードとスノーボードを始める。開志国際高―日大。14年ソチ、18年平昌五輪HP銀メダル。トッププロが集まる冬季Xゲームでは16年、18年優勝。1メートル60、50キロ。

 ◇スノーボード・男子ハーフパイプ 半円筒状のコースで両側の壁を往復しながらジャンプ、回転などの演技を行い、採点による得点で争う。1度の滑走で5~6回のトリック(技)を行う。6人の審判員が1人100点満点で採点し、最高点と最低点を除いた4人の平均点が得点となる。予選は2回、決勝は3回ずつ滑り、それぞれ最も高い得点が採用される。予選の上位12人が決勝に進む。決勝のスタート順は、予選の成績下位からとなる。

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