挑戦者――フィギュア松生理乃「意識も変わった。目指したい」名門から現れた17歳新星

[ 2021年10月27日 05:30 ]

北京五輪あと100日

トリプルアクセルで五輪出場を目指す松生理乃
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 来年2月4日の北京冬季五輪開幕まで27日でちょうど100日。フィギュアスケート女子で昨季の全日本ジュニア選手権を制した松生(まついけ)理乃(17=中京大中京高)がオンラインでスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。シニア1年目となる今季はトリプルアクセル(3回転半)に挑み、大舞台への出場を視野に入れる。これまでの歩みや今後の抱負を語った。

 北京五輪を控えたシーズンに、新星が一気に台頭した。高校2年生の松生は昨季はジュニアながらNHK杯3位、全日本選手権4位と結果を残し、今季はトリプルアクセルに挑戦。9月のジャパン・オープンでは初めて片足で着氷し、大会ごとに完成度を上げている。

 「自分は何かが特別に上手というふうには思っていないので、トリプルアクセルが跳べれば、周りの見方も変わってくるんじゃないかなと。跳べれば点数も凄く伸びてくると思うし、早く習得したい」

 フィギュアスケートとの出合いは幼稚園の時。浅田真央さんが世界選手権で金メダルを獲得した演技をテレビで見て、憧れた。小学1年で週1回のスケート教室に通い始めた。

 「その教室が凄く楽しくて、もっともっとやりたいと思った。でも、フィギュアスケートを習うのは本当に大変なことって分かっていて。両親も“ちょっと考えよう”と言ったんですけど、私があまりにずっと“やりたい!やりたい!”って言うから、最後は“分かった”って言ってくれました。それが小学3年の時です」

 グランプリ東海クラブに所属し、伊藤みどりさん、浅田真央さん、宇野昌磨らを育てた山田満知子コーチ、樋口美穂子コーチに指導を受けるようになった。トップスケーターになるにはやや遅いスタートだったが、本格的にスケートを始めたことで、それまで悩まされてきたぜんそくの発作などは徐々に改善されていった。ダブルアクセル習得までに2年間を要しながらも、そこから道が開けた。

 「ノービスの時、それまではいつも下の方の順位ばかりで凄く悔しい思いをいっぱいしていた。でも、初めてダブルアクセルが跳べた試合で表彰台に上がれたんです。回転を回る感覚は凄く大事で、それが分かったからこそ、3回転を習得できるのも早かったんだと思います」

 かれんな容姿とは対照的に、コーチらがストップをかけるまで反復練習を続ける芯の強さがある。その練習量で昨季の全日本ジュニアを制し、熟考を重ねた上で今季からシニアへと戦いの場を移した。

 「転向を決めてから、GPシリーズに1試合(ロシア杯)出場させてもらえることになって、NHK杯にも選んでもらえた。上に行きたい気持ちは凄く強いけど、誰かと戦うというより、自分の演技をすれば順位や得点もどんどん高くなってくる。まずは練習を積み重ねて、レベルアップした演技を試合で出せれば」

 北京五輪開幕まで、あと100日。昨季には目標にすらできなかった大舞台が、手の届くところにある。

 「周りから“五輪の1枠に入れるかもしれない”と言ってもらえるようになって、自分の意識も変わったし、目指したいと思えるようになった。でも、足りない部分はたくさんある。しっかり“目指したい”と言えるように、また練習して、目の前の試合をこなしていきたいと思います」

 挑戦者として――。大きな期待を受けながらも、自然体のまま一戦一戦に臨む。

 ≪一瞬に懸ける…趣味は写真撮影≫氷の上では大人びた演技を披露する松生も、スケート靴を脱げば普通の17歳に戻る。中京大中京高に通う2年生で、得意科目は英語と国語。趣味は読書と写真撮影で「夜に月が奇麗に出ていたりとか、夕焼けや道に咲いている花が奇麗だったりすると、カメラを出してきて撮ります」。今回、お気に入りの写真を披露してくれた。また、大事な存在を聞かれると「お姉ちゃん」と回答。「5歳上で、いつも支えてくれていて。お姉ちゃんが作ってくれたお守りは凄く大事にしています」と笑みを浮かべた。

 ◇松生 理乃(まついけ・りの)2004年(平16)10月10日生まれ、名古屋市出身の17歳。9歳から本格的にスケートを始め、19年のジュニアGPリガ杯で3位。昨年の全日本ジュニア選手権で初優勝しシニアも加わった全日本選手権では4位。中京大中京高に通う高校2年生。身長1メートル50。血液型B。

 ▽フィギュアスケート北京五輪への道 男女とも出場枠は最大の3枠を確保。12月の全日本選手権優勝者が最優先で選出され、全日本やGPファイナルの成績、全日本終了時点での国際スケート連盟公認の今季ベストスコア、世界ランクなどで総合的に残る2人を選ぶ。女子は混戦模様。4回転サルコーと3回転半を跳ぶ紀平が本命視されるが、右足首を負傷している。18年平昌五輪出場の宮原と坂本、3回転半を成功している樋口と河辺、五輪会場でのテスト大会を制した三原、急成長中の松生が有力候補に挙がる。

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