与党は検証、野党は対案 選挙の時だけ立派な青写真を出すんやなくて、普段からちゃんとやって

[ 2021年10月27日 08:00 ]

鳥内秀晃氏
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 【名将・鳥内秀晃の人間話 頼むでホンマ】31日の日曜日は衆院選の投票日やな。各党が同じように公約を言うてるけど、有権者が求めてるんは、与党と野党で全然ちゃうもんやで。

 与党に必要なんは、まず検証やろな。安倍、菅政権時代に何ができて、何ができんかったんか見直さんかったら、同じこと繰り返してまうねん。「モリカケ問題」や「桜を見る会」のことについて、岸田首相はどう思ってるんやろ。国民としては、真実が知りたいだけやねん。そこを説明できひんかったら、「やっぱり、前の政権と同じか」と思われてまうで。

 選挙戦では未来の話ばっかりしてるやん。立派な青写真もええけど、過去を反省して教訓にするんは、もっと大事なことやで。岸田首相かて選挙直前の今になってコロナ対策を口にするんやったら、同じ自民党やねんから、昨年のうちに提言でけたはずやろ。ちゃんと国会開いて、真剣に話し合うべきやったんちゃうかな。

 対して、野党が好き放題言うのは、当たり前やわ。それはええねんけど、何でもかんでも与党に反対してるだけではあかん。公約を口にするなら、ちゃんと裏付けを取って、与党への対案を示してもらわんかったら、支持は得られへんで。

 あと、もう遅いけど、「GO TO 選挙」みたいなもん作って、投票率を上げる努力はでけへんかったんかな。それと被選挙権も20歳くらいまで引き下げた方がええんちゃう。同世代を応援できるようになったら、若い人も選挙に足を運ぶようになって、関心も深まるんちゃうかな。

 政治でいうと、一部の大臣はあまりに勉強不足で、どうにかならへんのやろか。国会質問とか見てたら、答えられへんかったり、官僚に任せっきりやったり、何してんの、一体。そんなんで適材適所いうてええの。ちゃんと勉強してるんなら、70歳とか80歳の人でもええけど、常識的なことも理解してへん人が大臣になってもろたら困るわ。

 選挙の争点の一つになってるコロナは、少し落ち着いているけど、油断したら、すぐに第6波が来るかもしれへん。感染者が減っている今こそ、医療体制を見直すべきやで。前から言うてるように、民間に任せすぎるんやなく、もっと国、自治体がリードして、お医者さんや看護師さんを増やしたり、病床を活用していかなあかん。コロナだけやのうて、自然災害やテロが起きる可能性かてあるねん。あの地下鉄サリン事件(1995年)みたいなことがあった時、それを扱える施設は十分に整ってんの?今度こそ有事になって慌てるんやなくて、今から準備しといてや。頼むで、ホンマ。 (関西学院大アメリカンフットボール部前監督)

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2021年10月27日のニュース