柔道・阿部詩 得意担ぎ技不発も復帰戦優勝!五輪への課題明白「さらに強くなれる」

[ 2021年3月7日 05:30 ]

柔道グランドスラム(GS)タシケント大会第1日 ( 2021年3月5日    ウズベキスタン・タシケント )

女子52キロ級決勝 対戦相手の棄権により不戦勝となり、一礼する阿部詩(左)(国際柔道連盟提供)
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 優勝した女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)は、一夜明けてオンライン取材に応じた。

 かねて「怪物みたいに強くなりたい」と話していた阿部も人の子だった。経験したことのないブランクで初戦から動きは硬く、「相手にビビった」とも言った。試合勘を取り戻すことが目的の一つだった大会で、決勝は不戦勝という不運のおまけ付き。一夜明けても「自分に対して悔しい気持ちがたまった」と表情はさえなかった。

 世界選手権を2連覇中の女王として、包囲網を痛感する1日にもなった。組み手争いでは右の釣り手を持たせてもらえず、得意の担ぎ技は不発。準々決勝は小外刈り、準決勝は関節技と新境地を示したものの、「(満足度は)5割ぐらい。凄く研究されているなと思った。袖だけにこだわらず、襟などを持った柔道も考えないといけない」と五輪への課題を挙げた。

 ただ、五輪本番前に“壁”にぶつかったことは、間違いなくプラスだ。兄・一二三も世界選手権を2連覇後に研究しつくされ、一時は勝てない時期が続いた。「兄もそういう経験をしてきた。同じ道を進んでいるので、自分も課題を乗り越えたい」と、低迷期を乗り越えて五輪代表を射止めた兄はこれ以上のないお手本。「五輪に向けて、さらに強くなれると分かった試合になったのは良かった」と前を向いた。

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