志摩ノ海 自己新11勝!初場所幕尻V兄弟子から刺激、13日目は貴景勝との1敗対決

[ 2020年11月20日 05:30 ]

大相撲11月場所12日目 ( 2020年11月19日    両国国技館 )

<大相撲11月場所12日目>志摩ノ海(上)が下手出し投げで竜電を下し1敗を守る(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 幕尻の志摩ノ海は2敗の平幕・竜電を自身初めての決まり手、下手出し投げで破り1敗をキープした。兄弟子の徳勝龍が今年初場所で見せた神がかり的な快進撃に似た気配が漂ってきた。大関初挑戦となる13日目の結びで、同じく1敗を堅持している貴景勝と対戦する。2敗の小結・照ノ富士は関脇・御嶽海を破り1差で追っている。

 自分でも信じられない。初めて下手出し投げを決め、自己新の11勝目に到達した志摩ノ海は不思議そうな表情を浮かべていた。「(あの技が出たのは)流れの中で、ですね。何も考えていません。体が反応しました」。竜電に許した左下手を切り、互いに前傾姿勢で押し合う展開。相手が無警戒の左下手をつかむと、すかさず出し投げで転がした。得意は突き押しで、まわしを取らないよう稽古で叩き込まれている。藤島審判部副部長(元大関・武双山)も「我慢しての出し投げ。ああいう相撲も取れるんですね」と驚いた。

 優勝を争う終盤戦で勝利の女神を味方に付けたかのような白星。今年初場所の徳勝龍をほうふつさせる。高知・明徳義塾高、近大の先輩でもある兄弟子は同場所10日目から逆転の突き落とし5連発など神がかり的な快進撃で幕尻優勝を飾った。その優勝パレードで志摩ノ海は徳勝龍と並んで車に乗り込み旗手を務めた。「人がいっぱいで。(自分が優勝して)あの車に乗るのは夢」と刺激を受けた。

 13日目は貴景勝との1敗対決。翌日の対戦相手については、取組後に部屋で師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)から助言とともに教えてもらうのがルーティン。「何も考えたくないので、申し訳ありません」と大関初挑戦に言及しなかった。優勝争いの緊張感と必死で闘っている。

 地元の三重県志摩市では個人後援会が市役所と協議し、千秋楽に人数制限した上でのパブリックビューイング開催を検討中だ。今年は照ノ富士も平幕で優勝しており、1年で2度の平幕優勝は4例目で、年間3度となれば史上初。13日目の結びは大一番となる。

 ▼徳勝龍 志摩ノ海は実力と努力(で今場所の好成績につなげている)。自分はまぐれで勢いだけで優勝した。見ていて燃えるし木瀬部屋のみんながそう思っている。 

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月20日のニュース