懸賞にもコロナ禍…経済的影響で「出せない」3分の2以下に

[ 2020年7月18日 05:30 ]

19日初日 新様式7月場所(中)

5月、春場所で獲得した懸賞金から日本とモンゴルの医療従事者などへマスクを寄贈した白鵬(日本相撲協会提供)
Photo By 提供写真

 幕内の取組に懸けられる懸賞は力士の発奮材料にもなる。1本当たりの手取りは3万円。無観客開催だった春場所は広告効果が薄れるにもかかわらず、例年よりは少なかったものの、最終的には合計1068本の懸賞が力士の手に渡った。

 例年は名古屋開催の7月場所だが、会場が東京に替わったことで変化が生じた。昨年は場所直前の段階で1727本の申し込みがあったが、今年は15日の時点で1228本。最近の東京開催の場所では2000本ほどの申し込みがあったことを考えれば、3分の2以下に落ち込んでいる。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「7月も中旬を過ぎる中で、企業も経済的に非常にダメージを受けている。出したくても出せないというところもかなりある」と説明。「今回は出しませんが、回復したときにはお願いできますか」という企業もあったという。コロナ禍は懸賞にも大きな影を落としている。

 春場所を制した白鵬は5月、獲得した138本の懸賞金(手取り414万円)から、新型コロナの影響で不足していたマスクを、日本と出身地モンゴルの医療従事者、一般市民に計2万5000枚寄贈した。「あの場所で土俵を全うできたのは、テレビの向こうから声援を送っていただいたファンの皆さんをはじめ、周りで支えてくださる方々がいたからこそだと感じています」。懸賞の本数は減っても、力士たちは協賛社への感謝の気持ちを忘れず土俵に上がる。

続きを表示

2020年7月18日のニュース