上野 下顎骨骨折治療のプレート除去で節目「これで完全復活」

[ 2020年6月27日 05:30 ]

上野由岐子の練習風景(ビックカメラ高崎提供)
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 ソフトボール日本代表のエース上野由岐子(37=ビックカメラ高崎)が26日、本紙の電話取材に応じた。顎の骨折箇所に埋め込んでいたプレートを、東京五輪が1年延期になったことで、今月、手術して取り除いた。「いろんな意味でいい方向に進んでいるんじゃないかな」と、心境を明かすとともに、完全復活を印象付けた。

 顎に埋まっていたプレートの除去を、上野は「節目」と表現した。昨春、国内リーグ戦でピッチャーライナーを受けて手術。骨折箇所にあったものを、今月、取り除いた。競技人生を左右しかねない大けがに一区切りを付け、「いろんな意味で、いい方向に進んでいるんじゃないかな」と明るくとらえた。

 新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、異物を体に残したまま、東京五輪のマウンドに上がっていた。1年延期により、「五輪直後」だった予定を早めたが、ためらいがなかったわけではない。

 昨春の術後、流動食生活で5キロやせた。つらい記憶を払拭して一歩踏み出すと、「言葉は悪いですけど、チョロかった」と想定したほど体への負担はなかった。5日の入院予定が4日で退院。7月から本格投球を始める。

 プレートの有無が投球に与える影響は小さくても、心理的には違う。心が軽くなった。今回の手術を、「これで完全復活」と珍しくツイッターに記した。コロナ禍で多くの人に近況報告をするために、気遣いの人は2年ぶりに投稿をした。

 「心配してくれる方がたくさんいたので、ファンや関係者の方に、もう大丈夫ですよというアピールになるのかな、と思って」
 来月22日に38歳を迎えるが、5月には「しっかり投げ込みができた」と、例年以上に肩はできている。代表活動は白紙で、9月5日開幕のリーグ戦が当面の目標になる。08年北京五輪に続く金メダルへ、力強く歩んでいく。

 ≪37歳衰えぬ鉄腕≫上野は復帰後、超人的な活躍を見せた。昨年8月のジャパンカップ・チェコ戦で125日ぶりに実戦登板すると、台湾、米国戦にも投げて合計4回を無失点。肩慣らしを終えると、国内リーグ戦では、9月8日の初登板でいきなりノーヒット・ノーラン。11月の決勝トーナメントでは、決勝を含めたダブルヘッダーを1人で投げ切り、チームを優勝へ導いた。昨季リーグ戦は、登板6試合で全て勝利投手になった。

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