藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第11回 バンカーショットの打ち方】

[ 2020年6月19日 12:00 ]

バンカーショットの打ち方を解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはバンカーショットです。苦手というアベレージゴルファーも多いようですが、正しい打ち方さえ知っておけば、決して難しくありません。藤田寛之プロによれば、バンカーショットの成功率を上げるには、クラブヘッドを自分が決めたところに落とせるか否かだと言います。そのためのコツをティーチングプロのジミー常住氏が聞き出しました。

 常住 アベレージゴルファーがバンカーショットを苦手とする理由を教えて下さい。

 藤田 自分でボールを上げようとすることですね。その結果、右足に体重が残り、すくい打ちの形になります。これでは砂の爆発を利用できません。それを否定されると、今度は極端に上からクラブヘッドを下ろそうとします。すると、ヘッドが砂の中に深く潜り、やはり砂を爆発させることができません。

 常住 どのように対処したらいいのでしょうか。

 藤田 もっとSWの特性を生かすべきです。バンスというソールの膨らんだ部分を砂面にぶつけることができれば、自然と砂が爆発してボールを出せるんです。もちろん、どこにでも落とせばいいというわけではありません。ボールの手前2~4センチぐらいのところを狙います。バンカー練習場で砂面に溝を引き、溝の左サイドの壁にバンスをぶつけるドリルを行うと、狙ったところにヘッドを落とせるようになります。右足に体重が残ったまま振り下ろすと溝の右側に、上体が突っ込むと溝の左側にヘッドが入るので気をつけましょう。

 常住 具体的な打ち方を教えて下さい。

 藤田 特別な打ち方をする人が多いかもしれませんが、自分はアプローチと同じ打ち方を心がけています。肩幅よりも広めにスタンスを広げたら、左足を下げたオープンスタンスで構えます。ボールの位置はスタンス中央よりも1個分左、両手は左足太腿内側の前です。アプローチのときよりも体重を左足に多く乗せておくと、ダウンスイングのときにヘッドを上から下ろしやすくなります。体重の6、7割を乗せておきましょう。胸を目標の反対に向けることでクラブを上げたら、ダウンスイングでは先ほど言ったボールの手前2~4センチ後ろを目がけてヘッドを下ろします。

 常住 振り幅はどれぐらいになりますか?

 藤田 アプローチの2~3倍の距離を打つイメージです。この場合、ピンまで15ヤードあるので、アプローチの30~45ヤードを打つつもりでスイングします。個人差があるので、自分なりに調整しましょう。また、スタンス幅は距離によって変わります。ボールの位置も絶対にここだというわけではありません。少し幅を持たせて、とにかく自分が狙ったところにヘッドを落とせる構えをつくります。

 常住 他に打ち方はありますか?

 藤田 自分が右サイドに平行移動し、ボールを左に寄せます。その分、勝手にボールの手前をダフってくれるので、砂の爆発を利用できます。どれぐらい左に寄せるかは個人差があるので、ほどよくダフる位置を探しましょう。

 常住 アゴが高いバンカーを打つときはどうしますか?

 藤田 クラブフェースを開きます。ポイントはグリップしてから開くのではなく、フェースを開いてからグリップをつくることです。フェースが右を向く分、ボールを中心に反時計回りに動くことで、フェース面が目標を向きます。ただし、SWはロフトがあるので、スクエアに構えてもある程度のアゴなら超えることができます。(取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの51歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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