4番手“下克上”!ナガマツ 世界一!女子複日本勢対決 フクヒロとの激闘制した

[ 2018年8月6日 05:30 ]

バドミントン 世界選手権 ( 2018年8月5日    中国・南京 )

女子ダブルス決勝で勝利し、抱き合って喜ぶ永原(右)と松本(AP)
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 各種目の決勝が行われ、女子ダブルスは初出場の22歳ペア、永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)が前回銀メダルの福島由紀、広田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)に19―21、21―19、22―20の2―1で逆転勝ち。この種目の日本勢で77年第1回大会の栂野尾悦子、植野恵美子組以来41年ぶりの金メダルを獲得した。男子ダブルスでは前回3位の園田啓悟、嘉村健士組(トナミ運輸)が李俊慧、劉雨辰組(中国)に12―21、19―21の0―2で敗れ銀メダル。日本勢は今大会、史上最多6個のメダルを獲得した。

 中国のファンも沸かせた日本勢同士による1時間35分の激闘。福島のショットが外れて終止符が打たれると、永原と松本は抱き合って喜んだ。永原は「勝って初めてうれし涙を流せた」とタオルを目に押し当て、松本は「一番高いところから景色を見ることはなかなかないので、光栄なことだとかみしめた」と感慨に浸った。

 2年連続決勝進出の福島、広田組を相手に一歩も引かなかった。1ゲームずつを取り合って迎えた最終ゲーム。サーブのミスなどが続き、先に18―20とマッチポイントを握られた。だが、落ち着いて相手のミスを誘って3連続得点で逆転。マッチポイントを奪い返すと、「1点を取りにいくと力が入ると思って“ここから3点取りにいこう”と話をした」と松本。冷静に勝負を決めた。

 大会前のナガマツは日本の4番手とみられていた。だが、3回戦でリオ五輪金メダルの高橋礼、松友組にストレートで勝って勢いに乗り、初出場ペアは次々と強豪を撃破。頂点まで駆け上がった。

 1メートル70の永原と1メートル77の松本は日本女子では異色とも言える長身ペア。その特長を生かすため男子選手のプレーを参考にする。リオデジャネイロ五輪8強の早川賢一、遠藤大由組の動画も見て研究したという。北都銀行に入って初めて組んだ時は「遠慮しながら何も言わず、相手をうかがいながらのプレーが多かった」と松本。結成5年目。親密に話し合えるようになった2人の才能が、一気に花開いた。

 <フクヒロまた銀>最後の一打がアウトになると、福島はがっくり膝をついた。日本勢同士による激戦に敗れたフクヒロ組は2年連続の銀メダル。優勢だった第3ゲーム終盤、向かってくる相手を抑えきれなくなった。「正直疲れもあって集中力が切れる部分もちょっとあった」と福島。マッチポイントを握った20―18から4連続失点し、逆転負けを喫した。所属先を変え心機一転も、あと一歩届かなかった頂点。広田は「何が足りないのかを見つけていけば五輪にもつながる」と悔しさをかみしめた。

 <ソノカム頂点届かず>男子ダブルス決勝に進んだ園田、嘉村組は地元の大声援に後押しされた中国のペアに敗れた。我慢強くレシーブした第2ゲームは一時、19―16とリードしたが、そこから5連続失点し、金メダルには届かなかった。嘉村は「正直悔しい気持ちもあるが、自分たちのスタイルが通じるというのもあった」と前を向き、園田は「持ち味を全部出せた。次にアジア大会があるので進化した自分を見せられたらいい」と早くも次戦を見据えていた。

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