暁斗、king of Ski!23季ぶりに日本人個人総合V

[ 2018年3月20日 05:30 ]

ノルディックスキー複合W杯個人第20戦 ( 2018年3月18日    ドイツ・クリンゲンタール )

日本勢で23季ぶりの個人総合優勝を決めた渡部暁斗
Photo By 共同

 平昌五輪個人ノーマルヒル銀メダルの渡部暁斗(29=北野建設)が3位となり、2試合を残し初の個人総合優勝を決めた。複合日本勢では1992〜93年シーズンから3連覇した荻原健司以来、23季ぶり2人目。強風で前半飛躍(ヒルサイズ=HS140メートル)が実施できず、16日の予備飛躍の成績を採用。渡部暁は首位で出た後半距離(10キロ)で個人総合2位のヤン・シュミット(34=ノルウェー)に先着。タイトルが確定した。

 シルバーコレクターの称号をついに返上した。過去6シーズンで総合2位と3位が3回ずつ。五輪や世界選手権でも個人では銀メダル止まりだった。渇望してきた頂点に渡部暁は「長かった。何て言ったらいいか分からないぐらいうれしい」と感慨に浸った。

 個人総合2位のシュミットに先着すれば総合優勝となる一戦。18秒遅れで出たライバルに逆転を許さず、両手を上げ、天を仰ぎゴールラインを越えた。今季は2度の骨折もあっただけに「痛みも凄くあったし、よくやり切れた。今までで一番きついシーズン」と素直な思いを口にした。

 高校時代から総合優勝に重きを置き、五輪もその通過点と位置づけてきた。その大目標を達成して「自分の目指してきたものは間違っていなかった。だからこそ3つ(タイトルを)そろえたい。五輪と世界選手権の金メダルを獲りたい」と3冠へ意欲を示した。

 海外勢に走力の差を見せつけられて金メダルを逃した平昌五輪では「今季総合のタイトルが獲れたら五輪に集中するかもしれない」と語っていた。走力向上にはこれまでとは異なるアプローチも必要。総合優勝を果たしたことで、練習方法を含めた抜本的な改革にも踏み出せる。4年後に向けても大きな意味を持つタイトルとなった。

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