高安 大関文句なし!日馬撃破で目安上回る3場所34勝

[ 2017年5月27日 05:30 ]

大相撲夏場所13日目 ( 2017年5月26日    両国国技館 )

日馬富士(左)をはたき込みで破った高安
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 関脇・高安の大関昇進が確実となった。横綱・日馬富士戦は土俵際に追い込まれたが、相手の動きをよく見てはたき込み。2敗を守って11勝目を挙げた。昇進を預かる審判部は高安の昇進についての話し合いを持つことを決め、昇進の目安とされる3場所33勝を上回る34勝を挙げたことから大関に推薦される見通しとなった。横綱・白鵬は関脇・玉鷲を破って無傷の13連勝。日馬富士が敗れて1敗が消えたため、14日目の大関・照ノ富士戦に勝てば1年ぶり38度目の優勝が決まる。

 国技館から引き揚げる際に、大勢のファンにもみくちゃにされた。そして早くも「大関〜」の声が飛んだ。高安は人の群れをかき分けて歩きながら、できる限りファンの握手に応じた。

 圧倒的な攻めで昇進の目安をクリアした関脇が、大きな1勝を積み上げた。日馬富士戦は左四つからの投げの打ち合いで体勢を崩して俵に詰まったが、突き返して踏みとどまるとタイミングよくはたきを決めた。横綱戦は3連敗中で「相撲人生の大事な一番」と位置づけた取組で、守勢に回っても勝ちきった。

 「冷静だったので残せた。初日から自信を持って取り組めて、今日も堂々とやれた。コツコツ頑張ってきて、やっと報われた1勝だと思う」。笑顔はなくても、言葉には充実感がにじんでいた。

 昇進を預かる審判部の二所ノ関部長(元大関・若嶋津)は「明日は取組編成会議もあるし、意見を聞こうと思う」と審判部で昇進について話し合うことを決めた。高安はこの3場所の横綱大関戦で9勝4敗。3場所連続11勝以上という安定感もあり、大関に推薦されるのは確実となった。高安は「ありがたい。一生懸命やってきた相撲が評価されたということなので」と感謝した。

 初の大関獲りだった九州場所は7勝8敗と負け越した。体重をコントロールしきれず「太りすぎ」で臨んで大関を逃した。「稽古不足で全然ダメだった」という反省から、初場所、春場所は徹底して稀勢の里の胸を借りた。稀勢の里が左上腕部に負傷を抱えていた今場所は出稽古で鍛えた。「毎日悔いを残したくないと連日取り組めた」。失敗があったからこそ悲願成就につながった。

 大関のイメージを聞かれると「どんな状況でも堂々としているのが大関像」と答えた。それは稀勢の里の生きざまでもある。「あと2番しっかりと取り切りたい。その後に(喜びに)浸りたい」。強い大関になるため、まずは自身最多の13勝を目指していく。

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2017年5月27日のニュース