萩野の意地!大也と“直接対決第2R”1秒57差で200M個人メドレー圧勝

[ 2017年4月16日 05:30 ]

競泳・日本選手権第3日 男子200M個人メドレー ( 2017年4月15日    名古屋市ガイシプラザ )

男子200m個人メドレーで優勝し、瀬戸(左)と握手する萩野
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 競泳の日本選手権が世界選手権(7月、ブダペスト)代表選考会を兼ねて行われ、男子200メートル個人メドレーでは萩野公介(22=ブリヂストン)が1分56秒01で6連覇した。2日前の400メートルで100分の1秒差で敗れた瀬戸大也(22=ANA)に1秒57差をつけてリベンジに成功。この日は400メートル自由形も3分47秒30で制し、今大会4種目で3勝とした。

 萩野はぐっと見開いた目を泳がせながら、言葉を吐き出した。「本当に疲れました。全力を出し切りました。気持ちで戦っています」。400メートル自由形を制してから40分後、200メートル個人メドレーにも勝った萩野に喜びに浸る余裕なんてなかった。

 2日前の400メートル個人メドレーではライバル瀬戸に0秒01差で負けて、連覇が5で止まった。前日の200メートル自由形も優勝したが、自己ベストから2秒以上遅れた。昨年9月に右肘を手術した影響は「羽が4分の3なくなっている」と苦笑いするように、やはり大きかった。痛みはなくても、例年より約3カ月始動が遅れて絶対的な練習量が少ない上に、レース勘も鈍っている。焦るあまりに手先に力が入ってバランスが崩れた泳ぎになっていた。それでも、今できる最高の泳ぎを求めて準備し、スタート台に立った。

 最初のバタフライでトップに立つと、得意の背泳ぎで瀬戸に約1秒の差をつけた。最後までトップを譲らずぶっちぎりでタッチ。「ゆっくり泳ぐことを意識したら、少しずつ歯車がかみ合った。昨日よりは良くなった」。ベストには0秒94及ばなかったが、リオ五輪銀メダルタイムを0秒60上回り、瀬戸に1秒57の差をつけて借りを返した。

 万全ではない萩野を支えるのはプライドだ。3月に東洋大を卒業し、北島康介に続く日本人2人目のプロとなった。ブリヂストン、ナイキの2社と契約。速さはもちろんだが、それ以上に強さ、より結果が求められる厳しい道を選んだ。「たくさんの方が見に来てくれて、恥ずかしいレースはできない。責任がある。調子が悪くても、戦えるところまで持っていくことはできている」。最初のレースで負けた後、3連勝と立て直した。

 16日は200メートル背泳ぎに出場し、10連覇中の入江に挑む。「いい鍛錬です。一つ一つ真剣勝負することで成長できる」。20年東京五輪へ向けて複数の金メダルを狙う日本のエースは最後まで勝負にこだわる。

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