錦織“巨人”圧倒2年ぶり8強!さあAマリーにリオのリベンジだ

[ 2016年9月7日 05:30 ]

イボ・カルロビッチ(右)をストレートで破り、準々決勝に駒を進めた錦織圭。試合後、ガッチリ握手を交わして健闘を称え合う

テニス全米オープン第8日男子シングルス4回戦 錦織6―3、6―4、7―6カロビッチ(クロアチア)

(9月5日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 男子シングルスの世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(26=日清食品)が、準優勝した14年以来2年ぶりの8強入りを決めた。4回戦では世界23位のイボ・カロビッチ(37=クロアチア)に6―3、6―4、7―6のストレート勝ち。ツアー最多サービスエース記録を持つ難敵を寄せつけずに快勝した。7日(日本時間8日)の準々決勝では、リオ五輪を制した世界2位のアンディ・マリー(29=英国)と激突する。

 錦織の口がもぐもぐと動いていた。会見の合間におにぎりを頬張るマイペースぶりは相変わらず。しかし、その口から発する言葉にはようやく力強さが備わってきた。「こうやっていい試合ができて自信を持って臨める。マリーは強いけど、なるべく強い気持ちで向かっていきたい」と大一番への決意を示した。

 それだけ手応えのあった4回戦だった。2メートル11。1メートル78の錦織より33センチも長身の選手相手に第1、第2セットは序盤でブレークに成功。ツアー随一のサーブ力を誇る相手に虎の子のワンブレークを守り切って連取した。ブレークのなかった最終セットも相手の2本のセットポイントを耐え、もつれ込んだタイブレークを制した。「大会2週目に入って自然と集中力が上がってきた。しっかりとレベルを上げてプレーできたので満足」

 不調だったサーブには改善の気配が見られた。前日の練習ではマイケル・チャン・コーチがトスの上げ方を含めて細かく指導。リターンが不得意なカロビッチということもあって重圧も少なく、第1サーブの確率は今大会初めて60%に達した。

 「ヤマが当たったのが大きい」とリターンもさえた。もちろんただの当てずっぽうではない。コーチ陣から過去の対戦データを見せられ、カロビッチの得点パターンも伝えられて頭にインプットしていた。おかげで第1サーブには手が出なくとも、第2サーブには体が反応した。「作戦勝ちだと感じた。コーチたちのおかげ」と感謝。ツアー屈指のリターン力がビッグサーブを凌駕(りょうが)した。

 4強入りを懸けて挑むA・マリーは1勝7敗と苦手にしている。特に約3週間前のリオ五輪準決勝では1―6、4―6の完敗。「あんなに簡単に負けるんだと凄くしょぼんとした」と打ちのめされた。ただし、リオ五輪では前日のモンフィス戦の激闘で力を使い果たしていた。今回は違う。すぐに巡ってきたリベンジのチャンス。世界No・1のジョコビッチ(セルビア)と並ぶ「自分にとっての高い壁」を崩しにかかる。

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