勢、無傷5連勝!力士のど自慢で喝采 本業でも盛り上げます

[ 2015年11月13日 05:30 ]

破竹の勢い!遠藤(左)を寄り切りで破り無傷の5連勝を飾った勢

大相撲九州場所5日目

(11月12日 福岡国際センター)
 平幕の人気力士対決は勢が遠藤を寄り切り、自己新となる無傷の5連勝とした。場所前に“のど自慢”で会場を沸かせた男が、本場所をさらに熱く盛り上げる。横綱・白鵬、大関・琴奨菊、平幕の千代鳳も全勝をキープした。

 人気者対決を制した勢は口元を引き締めたまま花道を引き揚げた。相好を崩したのは支度部屋へ戻ってからだ。「連勝はたまたまですよ。精いっぱいやった結果。もちろん、やらなかったら結果もついてきませんが…。いい相撲を取れました」。常に礼儀を意識する男らしく控えめに喜んだ。

 遠藤とはケンカ四つ。左を差されて相手得意の形でも慌てなかった。すぐに右で抱え、小手に振って崩すと一気に寄り切り。これで対戦成績は5戦全勝だ。「自分より後から入った人に負けたくないですから」。先輩の意地を見せた。

 11勝4敗で敢闘賞を受賞した秋場所から好調を維持している。徹底した体調管理のたまものだ。九州場所前、約3週間の長丁場だった秋巡業では風邪や結膜炎に悩まされる力士が多かった。勢は「相撲以外でケガや体調を崩すのは嫌ですから」と手洗い、うがいを励行。福岡入り後は旬の味覚で栄養補給した。名物のアラをしゃぶしゃぶ、刺し身で4度も堪能したうえ、馬刺し、もつ鍋、水炊きも満喫した。

 体調抜群のおかげで喉も好調。場所直前の前夜祭で大喝采を浴びた。力士のど自慢のコーナーに登場し、小金沢昇司の「ありがとう…感謝」を熱唱。プロ顔負けの美声で場内からアンコールの大合唱が起きたほど。“ありがとう”のフレーズが繰り返される、この曲は「たくさんの人に応援してもらっている」ことへの感謝の気持ちを表している。

 もちろん、今目指しているのは“本職”で大喝采を浴びる瞬間だ。連勝街道を突っ走れば、横綱・大関の上位陣との対戦が組まれるのは必至。「精いっぱいやるだけです」。この勢いはまだ続きそうだ。

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