B・ワトソン首位発進!5番 富士山の「力借りて」直接イーグル

[ 2015年11月13日 05:30 ]

16番、驚がくのロングドライブを見せたバッバ・ワトソン

男子ゴルフツアー スポニチ後援三井住友VISA太平洋マスターズ第1日

(11月12日 静岡県御殿場市 太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 マスターズ2勝のバッバ・ワトソン(37=米国)が1イーグル、8バーディー、1ボギーの63を叩き出し、9アンダーで首位発進した。世界屈指の飛距離を誇る飛ばし屋はこの日も300ヤード超えの1Wショットを連発。優勝を目指した過去2度の参戦はいずれも24位に終わっているだけに、今回は3度目の正直で優勝を目指す。B・ワトソンと同組で回った石川遼(24=CASIO)は68をマークし、4アンダーの11位につけた。
【第1R成績】

 1年ぶりに富士山のお膝元に帰ってきた大砲レフティーがその実力をいかんなく発揮した。B・ワトソンは「素晴らしいプレーができた。4番パー3のティーショットだけ右のバンカーに入れたが、悪いショットはあの1ショットだけ」と満足そうにうなずいた。

 開幕前に「寒いと飛距離が出なくなる」と話していたのがウソのよう。12・8度と気温が下がった中、米下部ツアーで422ヤードを飛ばした記録を持つ男はトレードマークのピンクの1Wから豪快なショットを何度も繰り出した。4つスコアを伸ばして迎えた16番ではティーグラウンドから300ヤード先の木を直撃。ボールは左ラフに転がり落ちたが、キャリーだけで300ヤードを超えるビッグドライブに石川は「ドライバーの飛距離と精度はかなわないと思った。世界のトップ選手は飛んで曲がらない」と舌を巻いた。

 世界トップランカーの持ち味は飛距離だけではない。富士山が望める後半の5番パー4は残り106ヤードの第2打を56度のSWで放り込むイーグルを奪い「あの一瞬だけ雲間から富士山がのぞいた。その力を借りてイーグルを取ることができた」とニッコリ。続く6番パー5は楽に2オンに成功して2パットのバーディーを奪うと、7、8番でも6メートルのバーディーパットを沈めてリーダーボードを駆け上がった。

 昨年は宿泊先のホテルでカラオケに興じ、大好きなマイケル・ジャクソンの曲を熱唱。「今年も行く予定だよ」と明かした。日本を満喫するB・ワトソンのモチベーションは「ファンの皆さんに良いプレーを見せること」。昨年大会は第3ラウンドで77を叩いて優勝争いから後退し、24位で終わっただけにリベンジに燃えている。日本一の山の裾野で世界一の飛ばし屋が大会初制覇を狙う。

 ◆バッバ・ワトソン(本名ジェリー・ワトソン)1978年11月5日、米フロリダ州生まれの37歳。ジョージア大を出て24歳でプロ転向。バッバは米国で体の大きな長男につく愛称。昨季ドライビングディスタンスは315・2ヤードで米ツアー2位。チャリティーにも熱心でバッバ・ワトソン基金を設立し、ピンクに染めた1Wで300ヤード超えにつき300ドル(約3万5000円)をがん撲滅のために寄付する活動を行っている。ツアー通算8勝。家族はアンジー夫人と長男カレブくん。1メートル90、82キロ。

続きを表示

2015年11月13日のニュース