東京“分散”五輪…26競技の会場決定「コンパクト」目指すはずが

[ 2015年6月9日 05:30 ]

 国際オリンピック委員会(IOC)は8日、スイスのローザンヌで理事会を開き、2020年東京五輪の会場計画で未承認だった10競技のうち、セーリングやバドミントンなど8競技の会場を承認した。実施が決まっている28競技のうち、自転車とサッカーを除いた26競技の会場が決まり、昨年6月に東京都の舛添要一知事が見直しを表明して以来、約1年でほとんどの会場が決着した。

 大会組織委員会によると、セーリングは東京都江東区から1964年東京五輪と同じ神奈川県藤沢市江の島に変更し、千葉市美浜区と愛知県蒲郡市は見送られた。東京ビッグサイト(江東区)で行う計画だったレスリングとフェンシング、テコンドーは幕張メッセ(千葉市)で開催。トラック種目などの静岡県伊豆市開催を検討している自転車と、会場追加の要望があるサッカーは関係団体との話し合いを続ける。

 大会組織委員会と東京都による会場計画見直しは建設コスト削減が最大の目的だった。新設施設を減らし、代わりに近県も含めた既存施設の活用を模索。その結果、会場は都外に分散し、招致段階で掲げた「コンパクトな五輪」という理念が失われた。競技団体からは中央区晴海の選手村から会場への移動距離が長くなり、選手の負担が増すことへの不満や集客への影響を懸念する声が今もある。輸送などの対策で「組織委から明確な回答がない」と反発したバドミントンなど交渉が難航した競技団体もあった。

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2015年6月9日のニュース