錦織 ジョコにフルセット惜敗も「次に生かせる」全仏に手応え

[ 2015年5月17日 05:30 ]

ジョコビッチとフルセットの末、準決勝進出を逃した錦織

テニスイタリア国際

(5月15日 イタリア・ローマ)
 男子シングルス準々決勝で第5シードの世界ランキング6位、錦織圭(25=日清食品)は第1シードで世界1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)に3―6、6―3、1―6で敗れ、準決勝進出を逃した。今季初対戦での勝利はならなかったが「いくつかポジティブなことがあった」と手応えも得た敗戦。4大大会初制覇に挑む24日開幕の全仏オープン(パリ)での雪辱を誓い、万全の準備を整える。

  ローマの観客は勝敗に関係なく、スタンディングオベーションで両者を称えた。全仏オープン前哨戦で世界No・1とフルセットマッチ。「第2セットのようなプレーを続けたかったが、そう簡単にはいかない。良かったところもあった。次に生かせる」。敗れたとはいえ、錦織に悲観的なところはなかった。

 どちらもミスの多かった第1セットは、錦織に特に力んだフォアのミスが目立ち、ラリーでも後れを取った。第2セットは「集中力を保ってプレーできた」と凡ミスの数は第1セットの16本から3本まで減少。ストロークにも思い切りの良さが戻り、第6ゲームをブレークして追いついた。

 しかし、最終セットまで勢いは続かなかった。「相手がレベルを上げてきてミスが減った。それが一番プレッシャーになった」と第4ゲームは凡ミスも出てブレークされた。このブレークにジョコビッチは腕をぶんぶん振り回し、大きな雄叫び。錦織がそれだけプレッシャーをかけていたからこその王者のオーバーリアクションでもあった。

 「体の疲れはもちろんある。しっかり休んで臨みたい。初めていい形で全仏に入れる」。昨年はクレーコートへの苦手意識を払しょくしたものの、故障を抱えてのぶっつけ本番だった。今年はクレーに対する自信を携え、フィジカルも整えて挑める。「自分が主導権を握って攻めている時は本当に心地いい、良いテニスができている」と自信を深めている。

 今大会後の世界ランクは1つ上昇するが5位にとどまり、全仏では上位4シードには入れない可能性が高い。第1シードのジョコビッチとは早ければ準々決勝での再戦となる。この日の勝利で20連勝となった絶好調のジョコビッチは4大大会初制覇の大きな壁。その攻略の糸口はこの日の敗戦の中にあるはずだ。

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