白鵬、逸ノ城に喝 稽古しない後輩「若いし考え方が甘い!」

[ 2015年1月8日 05:30 ]

時津風部屋に出稽古に来た白鵬(左)が逸ノ城の腹をつまむ

 逸ノ城は甘い!大相撲初場所(11日初日、両国国技館)で単独での史上最多となる33度目の優勝を目指す横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は7日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古した。白鵬は同じく出稽古に来ていた関脇・逸ノ城(21=湊部屋)が右肩痛と腰痛のために一番も稽古しなかったことに苦言。母国モンゴルの後輩にカツを入れた。

 言わずにはいられなかった。33度目の優勝へ向けてラストスパートに入った白鵬は、栃ノ心や栃煌山らと精力的に番数をこなして20番で17勝3敗と調子を上げてきた。その一方で逸ノ城は出稽古に来たにもかかわらず、腰と右肩の痛みを訴えてじっと土俵の外で立ち尽くし、白鵬の稽古をただ見つめるだけ。稽古後、横綱は「痛みでやらないことも大事だが、今やらないと今後に響く。若いし考え方が甘いよね」と厳しい言葉が口を突いた。

 モンゴルの後輩でわずか5場所で関脇に昇進し「怪物」と呼ばれる逸ノ城を、将来の横綱候補として認識しているからこそ、黙ってはいられなかった。角界では「3年先の稽古」という言葉がある。若手の時にしっかり稽古することで3年たって力が付くというもの。出稽古しながら土俵に入らないのはいかがなものか。白鵬は「若いヤツとやるとか(考え方の)一つなんじゃない。親方がちゃんと言って、本人が認識して考えてやればいいのに」と訴え、関取衆とは無理でも、若い衆に稽古をつければ逸ノ城にもプラスになると指摘した。

 辛らつな言葉を受けた逸ノ城は不安のある腰にはテーピング。右肩は5日の稽古中に碧山に小手投げを決めたときに痛めたという。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)は「もともとできないのは分かっていたが、大事を取って」と説明。本場所への影響が懸念される。逸ノ城は「(肩は)力が入らない。きょうはできなかった」とうなだれた。

 単独最多優勝に向けて順調な白鵬はこの日の午後、明治神宮横綱土俵入り後に「新年初場所で新しい記録を皆さんに見せられたらと思う」と優勝宣言するほど余裕を漂わせる。腰と右肩の不調で暗雲が垂れ込めた逸ノ城とは明暗が分かれた。

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