錦織シングルス初戦完勝!第2サーブ強化「理想のテニスに…」

[ 2015年1月8日 05:30 ]

強烈なフォアショットを見せる錦織(AP)

テニス ブリスベン国際

(1月7日 オーストラリア・ブリスベン)
 2015年も錦織旋風だ!男子シングルスで世界ランキング5位、第2シードの錦織圭(25=日清食品)は、初戦となる2回戦で同37位のスティーブ・ジョンソン(25=米国)を6―4、7―5で撃破。5日に男子ダブルス1回戦で試運転を済ませて迎えた今季シングルス初戦。オフの間に強化したサーブにも手応えを見せ、4大大会初優勝を狙う新シーズンを順調に滑り出した。その後に行われた男子ダブルスでもアレクサンドル・ドルゴポロフ(26=ウクライナ)とのペアで準決勝に進出した。

 今年の錦織も強い。そう思わせる完勝だった。磨き上げた攻撃テニスに、昨季手にした自信という帆を張って、日本のエースは盤石の戦いで新シーズンを滑り出した。

 「この2、3年でたくさんのトップ10プレーヤーに勝ってきて、より自信を持って戦えている。自分のテニスができればトップにいくチャンスはある」。勝っても涼しい顔。世界5位ならば初戦突破は当然という気構え。そこに風格が漂った。

 5日にダブルスの試合をこなしたとはいえ、シングルスは昨年11月15日のATPツアー・ファイナル(ジョコビッチ戦)以来だった。感覚を確かめ、オフの練習の成果を見極めながらの1時間20分。第1セットは先取し、第2セットも第4ゲームの相手のブレークチャンスを2度しのぎ、流れを渡さなかった。第11ゲームでは錦織がチャンスをつかみ、強烈なリターンエースでブレークに成功。ジョンソンの強力なサーブには終始手を焼いたものの、攻守両面で確実に相手を上回った。

 「そんなに新しいことはしていない。細かいショットの調整など、伸びしろがある部分を練習してきた。理想のテニスに近づいている」。その中で昨季までと最大の違いはサーブだ。手首のスナップが利きやすいように握り方を変え、球威とスピン量が増加。さらなる“高速テニス”を追求して開発されたオレンジ色の新ラケットも手になじみつつある。

 特に重点を置いて強化してきた第2サーブは、緩急をつけて、コースを突くことで効果的にポイントを重ねた。第2サーブのポイント獲得率は72%と高く、昨季の53%を大幅に上回っている。「きょうはサーブが良かった。一番進歩しているのを感じた。以前とは少し違った感覚」と錦織は満足げにうなずいた。

 昨季終了後は短いオフを過ごし、12月中旬には早くもマイケル・チャン・コーチとカリフォルニアで合宿に入った。拠点を置くフロリダのIMGアカデミーに戻ってからもみっちり練習。クリスマスも朝8時から坂道ダッシュを30本走ってシーズンに備えてきたという。

 開幕戦で3年連続の8強入りを果たし、9日に予定される準々決勝では世界ランク53位で22歳のバーナード・トミッチ(オーストラリア)を迎え撃つ。「プレーはまだ100%とは言えないけど試合を勝つことに意味がある」。19日からは4大大会初制覇を狙う全豪オープン(メルボルン)も待ち構えている。シングルス、ダブルスと試合をこなしながら実戦感覚を研ぎ澄ます。錦織の2015年が本格的に始まった。

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