オトナの松山 余裕2アンダー!イライラ封印「いいスタート」

[ 2014年10月11日 05:30 ]

第1ラウンド、18番でバーディーを決めてギャラリーの声援に応える松山英樹

USPGAツアー フライズコム・オープン第1日

(10月9日 米カリフォルニア州ナパ シルベラードリゾート=7203ヤード、パー72)
 米男子ツアーの14~15年シーズンが開幕した。本格参戦2年目の松山英樹(22=LEXUS)は3バーディー、1ボギーの70 で25位とまずまずの位置につけた。石川遼(23=CASIO)は4バーディー、3ボギーの71で43位だった。アンドレス・ゴンザレス(31=米国)とベ相文(サンムン)(28=韓国)が66をマークし、首位に並んだ。

 一皮むけた松山がそこにはいた。「ショットもパットも納得いくものではなかったが、いいスタートが切れた」と話す表情は明るい。これまではミスにいら立ちを隠せないこともあったが、この日は自分を律した。

 インから出ると、12番で第1打を右のバンカーに入れてボギーが先行したが、米ツアー2年目を迎えた22歳に焦りはなかった。17番で残り111ヤードの第2打をピン左下1・5メートルにピタリとつけてバーディーを奪うと、18番パー5でも3メートルを沈めて2連続バーディーとした。パットが決まらず我慢のゴルフとなった後半もパーを拾って耐え続けた。今週は3Iを抜いてPWを含む4本のウエッジをバッグに入れているが、最終9番パー5は残り100ヤードの第3打をAWで3メートルにつけてバーディーで締めた。

 収穫は技術面よりも精神面にあるという。ツアー1年目の昨年の開幕戦とは対照的だ。昨年は初日にボールマークについてクレームがつきリズムを乱した。しかし、2年目は違う。「(今までなら)グリーンに乗ってもちょっと遠かったらイライラしたのが、遠くてもそんなに怒ることなくプレーできた」。

 平常心を貫けたのは3週間のオフで心身ともにリセットしたことに起因する。昨季は6月のメモリアル・トーナメントで米ツアー初優勝を飾ったが、その後は「体調は良いのにどうして結果がでないのか」と不満を抱いてシーズンを終えた。オフは拠点の仙台で過ごし、母校の東北福祉大の施設でトレーニングや打ち込み。後輩と練習や食事をともにしたこともリフレッシュにつながった。ルーキーイヤーの緊張と重圧を洗い流し「休むのがここまで大事だと思ったラウンドはなかった。知らない間に気を張りすぎていた」と気づいた。

 それでも、現状に甘んじているわけではない。「凄くいいスタートが切れたが、あすになってみたらいくつ叩くか分からない。まずは練習してもっと精度の高いショット、パットができればいい」。22歳の視線は上だけを捉えていた。

 ◆松山の昨年のフライズコム・オープン 予選ラウンドはデービス・ラブ3(米国)、マイク・ウエア(カナダ)のメジャー覇者2人とのペアリング。初日は出だしの1番で2.5メートルのバーディーパットを打とうとボールを置いた時にラブ3からボールを戻す位置がマークの場所からずれていると指摘され、パーに終わるなど“米国の洗礼”を受けた。その後は1アンダーでまとめて34位とすると第2日は66で11位。第3日は68で通算9アンダーの12位に踏みとどまった。最終日は上がり3ホールを3連続バーディーで締めるなど66で通算14アンダー。開幕戦でいきなり3位に入る強さを見せた。

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