水谷 歴代2位6度目V「自信ついた」バックハンドで圧勝

[ 2014年1月20日 05:30 ]

男子シングルスで優勝し、ガッツポーズをする水谷隼

卓球全日本選手権最終日

(1月19日 東京体育館)
 満身創痍(そうい)の元王者が返り咲きだ。男子シングルス決勝で水谷隼(24=DIOジャパン)が町飛鳥(19=明大)を4―1で破り、3年ぶり6度目の天皇杯を手にした。男子シングルスで6度目の優勝は、斉藤清の8度に次ぎ、長谷川信彦に並ぶ歴代2位タイの快挙。女子ダブルスでは石川佳純(20=全農)、平野早矢香(28=ミキハウス)組が5年ぶり2度目の優勝。石川は女子シングルスとの2冠を達成した。

 体調不良を抱える水谷が王座を奪回した。青森山田高、明大の後輩でもある町を4―1で破り、史上初の5連覇を飾った10年度以来の優勝。「5回優勝して、周りも優勝以外では喜んでくれない。年々(大会の)レベルが上がっている中で、優勝できて良かったです」と胸をなで下ろした。

 実は大会直前から風邪の症状に悩まされ、15日には病院に駆け込んだ。前夜も「せきで全然眠れなかった」ほど。ようやく眠りに就いたが、今度は「決勝で負ける夢を見て。一度起きて寝たら、また同じ夢を見た」と悪夢にうなされた。それでも準々決勝、準決勝と順調に勝ち進んで8大会連続での決勝進出。決勝では町の得意とするバックハンドの鋭い高速回転が掛かる「チキータ」対策に、変化のあるサービスを打って封じ込めた。

 昨年11月からはロシアリーグに参戦し、ドイツの名門クラブに所属する中国人のプライベートコーチとも契約。「バックハンドは一発で打ち抜けるようになって自信が生まれた」と3年前よりも進化した。まだ24歳。最多優勝記録の更新は、もう手の届くところにある。 

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2014年1月20日のニュース