筑波大 3季連続4強進出 1年生SOに1浪WTB活躍

[ 2013年12月23日 05:30 ]

<流通経大・筑波大>後半、突進する筑波大・山沢

ラグビー全国大学選手権

(12月22日 秩父宮ほか)
 第2ステージ第3節の8試合が行われ、B組の全勝対決は筑波大が36―11で流通経大を下し、3季連続3度目の4強進出を果たした。日本代表WTBの福岡堅樹(2年)、SO山沢拓也(1年)らタレントぞろいのバックス陣が全5トライを奪い、来年1月2日の準決勝(国立)に向けて弾みをつけた。激戦のC組は、前節まで勝ち点トップだった明大が立命大に敗戦したため、東海大を破った慶大が4季ぶりの正月越え。A組の帝京大、D組の早大と合わせ、関東大学対抗戦グループが4強を独占した。

 下級生コンビが4強入りを決定づけた。29―11の後半35分、相手陣30メートル付近でボールを受けたSO山沢が、華麗なステップで相手ディフェンスラインを突破。左を並走していたWTB福岡へラストパスが渡ると、2人のタックルを振り切ってインゴールへ飛び込んだ。同じくタレントぞろいの流通経大バックス陣を、完膚なきまでに叩きのめすトライ。福岡は「マークはきつくなっているが、あそこが持ち味。貢献できて良かったです」と笑みを浮かべた。

 昨季の対抗戦優勝校ながら、今季は連敗発進。負傷などでバックス陣を固定できず、古川拓生監督も「試合ごとに、あうんの呼吸をつくらなければいけなかった」と振り返る。それでも、秋が深まるにつれメンバーを固定できるようになり、緊張感のある戦いの連続も、選手を成長させた。最終戦でようやく大学選手権進出を決めたが、指揮官は「選手を固定できて、プレーの精度が上がった」と評価した。

 3年連続の正月越え。しかし、いまだに私立大との環境格差は大きい。街が華やぐこの時期は、ちょうど後期の試験週間。1浪して入学した福岡は「金曜日(20日)までテストでした」という。専用の寮や栄養士付きの食堂を完備している他校とは違い、部の寮もなく栄養管理は個人任せ。福岡も「そこは違いを感じます」と話したが、それでも再び壁を乗り越えた。選手一人一人の意識は、この3年間で確実に高まった。

 次戦は1月2日の早大戦。対抗戦では同点の後半42分にPGを決められて敗戦した。「高校を含めて、今まで一番になったことがない。なってみたいですね」とSOの内田主将(4年)。リベンジの先に、2季連続の決勝舞台が待つ。

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2013年12月23日のニュース