羽生 世界最高297・80点!それでも「悔しい!」

[ 2013年12月23日 05:30 ]

華麗な演技を披露する羽生

フィギュアスケート全日本選手権第2日

(12月22日 さいたまスーパーアリーナ)
 異次元の演技で連覇を達成した。SPで103・10点のハイスコアをマークして断然の首位発進した羽生が、フリーでも高得点を叩き出した。

 世界選手権で銅メダルを獲得した2季前と同じフリー「ロミオとジュリエット」。冒頭の4回転サルコーは激しく転倒したが、続く4回転トーループはジャンプの軸がずれながら意地の着氷だ。合計300点には届かなかったが、297・80点は国際連盟主催大会の世界最高得点(295・27点、チャン)を上回った。それでも、演技後の第一声は「悔しい!」だった。

 宮城県仙台市出身で、東日本大震災が発生した11年3月11日は、仙台市のリンクで練習中だった。以降、結果を出す度に「被災地出身」という面がクローズアップされ、葛藤した時期もある。今年3月11日はカナダ・ロンドンで迎えた。震災発生時刻の午後2時46分は現地時間で深夜だったが、目覚まし時計をセット。起床して黙とう。今は「被災地のために」と素直に思える。「ここがスタートライン。(全日本で)いろんな課題が出たし、SPもフリーもまだ足りない。いいステップを踏みたい」。初めて夢舞台に立つ19歳は、金色のポテンシャルを秘めている。

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