父に元気を！アン　大会新Ｖ　３差逆転　自分も体調不良乗り越えた

優勝したアン・ソンジュは副賞のパワーショベルの前でＶサイン

女子ゴルフツアー　ＣＡＴレディース最終日

（8月25日 神奈川県箱根町　大箱根カントリークラブ＝６６５５ヤード、パー７３）
　降雨のため２度の中断を挟んで行われ、多くの選手がスコアを崩す中、４位から出たアン・ソンジュ（２５＝韓国）が６６をマークして３打差を逆転。大会記録を更新する通算１５アンダーで、昨年９月のゴルフ５レディース以来となるツアー通算１２勝目を挙げた。６９で回った笠りつ子（２５＝京セラドキュメントソリューションズ）が３打差の２位に入った。

　約１年ぶりの優勝。アン・ソンジュはホッとしたようにつぶやいた。「長い一日だった。久しぶりの優勝で緊張したけど我慢のゴルフができるよう自分の中で頑張った」

　アイアンの精度が抜群だった。４番は残り１５５ヤードから８Ｉで１メートルへ。１７０ヤードの１７番パー３は７Ｉで１・５メートルに付け９つ目のバーディー。１８番グリーンで吉田に「今まで大変だったね」と言葉を掛けられると涙がこぼれた。５月のワールドレディース・サロンパスカップ。８位に入ったが、３連覇の重圧で精神的に参った。「ゴルフから逃げたくなった。毎日泣いていた」。父・ビョンギルさん（５７）に「ゴルフをやめる」と弱音を吐いた。体も悲鳴を上げた。逆流性食道炎を患い今も食事制限している。

　ここまで励まし続けてくれたビョンギルさんが体調を崩した。先週帰国し検査を嫌がる父を「病院に行かないならゴルフをやらない」と説得。前日も激励メールをくれた父のため自分を奮い立たせ優勝につなげた。

　１０月に米ツアー出場予選会を受けるが、今は日本での活躍しか考えていない。「メジャーで優勝したい」と９月１２日開幕の日本女子プロを見据えた。