伊達 観衆魅了「これだけスピードに対応できたのは大きな進化」

[ 2011年6月23日 09:12 ]

女子シングルス2回戦 ビーナス・ウィリアムズ(右)に惜敗し、握手するクルム伊達公子

ウィンブルドン選手権第3日

(6月22日 英ロンドン・オールイングランドクラブ)
 40歳とは思えないハイレベルなテニスで観衆を魅了した。15年ぶりに立ったテニスの“聖地”のセンターコートで、クルム伊達は全ての武器を出し切った。2時間56分の激闘の末に惜敗したが「残念で悔しいけど、自分のテニスをできたことは大きな収穫」と柔和な笑みで振り返った。

 元世界1位のV・ウィリアムズに、経験と強い精神力で対抗した。あえて前に出て強力なサーブを返し、ラリーに持ち込んだ。ネットプレーでは相手より6本多い23本のショットを決め「カモン」と叫んで何度もガッツポーズ。最終セット、6―7からの第14ゲームをブレークされて力尽きたが、2008年に復帰して以来、最高と言えるプレーを披露した。

 1996年にグラフ(ドイツ)に敗れた準決勝は、セットカウントを1―1に追い上げた場面で日没のため、翌日に持ち越しとなって敗れた。「当時、屋根があったら勝てたかもしれない」との感慨も沸いた。「テニスも時代も自分も変わった。これだけスピードに対応できたのは大きな進化だと思う」。今季の不振を完全に脱出し、さらなる活躍さえ予感させた。(共同)

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2011年6月23日のニュース