遼「悔しい」欧州強豪に延長突入20Hで力尽く

[ 2011年2月25日 06:00 ]

アクセンチュア世界マッチプレー選手権の1回戦で敗れた石川遼

世界ゴルフ選手権シリーズ・アクセンチュア・マッチプレー選手権第1日

(2月23日 米アリゾナ州マラナ リッツカールトンGC=7791ヤード、パー72)
 石川遼(19=パナソニック)は激闘の末に1回戦で散った。シャール・シュワーツェル(26=南アフリカ)と対戦して延長戦に突入。その2ホール目でボギーを叩いて20ホールで敗れた。池田勇太(25=日清食品)はミゲルアンヘル・ヒメネス(47=スペイン)に2&1で屈し、昨年に続いて1回戦敗退。初出場の藤田寛之(41=葛城GC)もロベルト・カールソン(41=スウェーデン)に5&3で負け、日本勢は全員が1回戦で姿を消した。タイガー・ウッズ(35=米国)も敗れる波乱があった。

 勝負を懸けた3メートルのパーパットは右にそれた。20ホールに及んだ激闘が終わり、石川は帽子を取ってシュワーツェルに歩み寄った。「これだけ悔しい思いをしたのもあまりないぐらいの悔しさがある」。格上をあと一歩まで追い詰めたからこそ余計に悔しさが募った。

 ミスの目立った序盤は劣勢だったが、中盤から立て直してリードした。しかし5、8番と2度のチップインを決められ、つかみかけた流れを引き戻される。終盤は取って取られてのシーソーゲーム。その中で勝負を分けたのが小技の差だった。

 シュワーツェルは欧州ツアーの賞金ランク2位で平均ストローク1位。小技の安定感は抜群でアプローチはカップに絡み、長いパットも巧みに寄せてきた。対照的に石川が失ったホールは、アプローチで2~3メートルを残し、そのパットがカップをかすめ外れたものばかり。「アプローチがあと3分の1ぐらい寄ってくれれば」。ウエッジのロフト角を昨季の60度から59度に切り替えたことも距離感のズレを生んだ。

 最後の20ホール目では残り127ヤードからPWで打った2打目がグリーン奥にこぼれた。「去年の終盤戦だったら、自分のアドレナリンがどれだけ出ていて、この距離ならこのクラブと判断できた。それがまだ合ってない。いいショットを打ったのに“あれ?”という感じだった」。今季2戦目。先週に比べて格段によくなったアイアンも、まだズレがあった。

 昨年16強入りした大会で初戦敗退。ギャラリースタンドの酔客からは「イチロー!」「マツイ!」と歓声が飛ぶ場面もあったが、イシカワの名前を印象づける活躍はできなかった。ただし、今季の課題とするショートゲームの重要性をあらためて突きつけられた敗戦は次への糧になる。石川にとって4月のマスターズに向けた戦いはまだ始まったばかりだ。

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2011年2月25日のニュース