対立から統合へ…協会とbj、それぞれの思惑

[ 2010年5月25日 14:59 ]

 バスケットボール男子のリーグ分裂状態を解消しようと、日本協会は別組織だったbjリーグをこのほど傘下に入れた。2013年を目標にした日本リーグとbjリーグの統合、新リーグ創設に向けてそれぞれと覚書もかわした。対立から雪解けへ、動きだした。

 05年、日本協会主導ではプロ化が一向に進まない状況にしびれを切らした新潟と埼玉が日本リーグを脱退し、完全プロリーグのbjを発足させた。この動きに日本協会は猛反発し、会長名義で「bjとはかかわるな」という通達を出した。

 風向きが08年、変わった。麻生太郎会長を迎えた日本協会の新体制が発足し、同年12月、統合に向けて「トップリーグのあり方検討委員会」ができた。深津泰彦委員長は「当事者の役員がいなくなり、解決への機運が出た。放置していい問題ではなかった」という。

 日本協会は3月、bjを公認した。検討委関係者は「bjが協会に『承認をお願いします』と頼んできた」と明かした。地域密着と派手な演出で人気を獲得したbjだが、同リーグによると昨季は全球団赤字決算。「協賛獲得も、日本協会のお墨付きがないとうまくいかない面もあった」(関係者)。14日の高松の破産申請は象徴的だった。

 日本協会も、新リーグ設立で「注目度を上げて、バスケットのコンテンツ価値を高め」(深津委員長)人気増につなげたいという思惑がある。bjの河内敏光コミッショナーは言う。「体育館を満員にするチームがそれぞれにある。それだけ潜在能力がある」。日本リーグのリンク栃木とbjの沖縄という人気チームの対戦が実現したら―。統合がバスケット界の市場規模拡大の起爆剤になる、と期待する関係者は多い。

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2010年5月25日のニュース