すごい…塚田真希 記録更新9連覇達成

[ 2010年4月18日 14:58 ]

9連覇を達成し、皇后杯を手に笑顔の塚田真希

 体重無差別で争う柔道の全日本女子選手権は18日、横浜文化体育館で9月の世界選手権東京大会の78キロ超級、無差別級代表の最終選考会を兼ねて行われ、28歳の塚田真希(綜合警備保障)が自身の持つ最多記録を更新する9連覇を達成した。男子の全日本選手権では、1977年から山下泰裕が9連覇した。塚田は決勝で25歳の杉本美香(コマツ)に、大外刈りで一本勝ちした。大会後の全日本柔道連盟の強化委員会で、塚田と杉本が世界選手権78キロ超級代表に選ばれた。無差別級代表は塚田、杉本に田知本愛(東海大)を加えた3人から、好調な2人を選出する。3位には堀江久美子(兵庫県警)と立山真衣(フォーリーフジャパン)が入った。

 北京五輪では惜しくも銀メダルで、昨年の世界選手権は3位にとどまった。今月3日の全日本選抜体重別選手権では2位。塚田は相当な覚悟で9連覇に挑んだ。
 「第一線で戦っている以上、腹をくくってやらなければ失礼」という思いがあった。この日も「納得のいく試合ができないようだったら、今後のことを考えなければと思った」と、進退までを意識して畳に立った。
 決勝は選抜体重別で敗れた杉本との再戦。教育的指導を取られる重苦しい展開から2分27秒、切れ味鋭い右大外刈りを決めると、両手を握り締め、雄たけびを上げた。「一戦一戦、ぶっ倒れるくらいの気持ちでやった。9連覇にはピンとこないけど、後でじっくりかみしめます」と涙で声を詰まらせた。
 V9といえば、山下泰裕が全日本選手権で打ち立てた金字塔でもある。今大会前に「気合を入れて、自分の信じた道を貫け」とハッパを掛けてくれた東海大の大先輩の同氏とは、試合後に手を握り合った。
 一方で日本女子の園田監督が「物足りない。もっと鍛えてもらわないと」と言えば、吉村強化委員長は「本来の圧力、パワーには程遠い」。首脳陣の期待の裏返しといえる厳しい評価に対し、塚田は「苦しい練習から逃げることなく、東京での世界選手権では表彰台の真ん中に立ちたい」と宣言した。

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2010年4月18日のニュース