幅広げた国母「HPだけやってる選手には負けない」

[ 2010年1月15日 14:31 ]

 4年前のトリノ冬季五輪でスノーボードのハーフパイプ(HP)勢は大きな期待を裏切り、惨敗した。当時17歳だった男子の国母和宏(東海大)は「周囲の評価は気にしなかったが、自分で楽しいと思える滑りができなかったことが悔しかった」と振り返った。

 自分らしい滑り。トリノ五輪後はそれを追い求めた。「競技としてのスノーボードだけが、すべてじゃない。ルールなどに縛られず、自分の幅を広げたかった」。2007年1月の世界選手権で2位となったことを機に、ビデオの撮影や自然の山を滑走するプロとしての活動に重点を置いた。
 バンクーバー五輪への意欲を失うことはなかった。充電期間を経て昨季、本格的に試合に出場し、昨年2月のユニバーシアード大会はHPとビッグエアの2冠を達成。今季のワールドカップ(W杯)は8月の開幕戦で3位、11月の第2戦で4季ぶりの優勝を飾り、五輪代表入りを確実にした。
 4歳でスノーボードを始め、わずか11歳でプロ資格を取得した。活動内容は多様で、五輪に対して「金メダルを取って人生を変えようとは思わない」と重くとらえない。
 ただ、多くの人が注目する大舞台であることは前回の経験で痛感した。「スノーボードの本当のかっこよさを伝えたい。HPだけやっている選手には負けない」と誇りを持って戦う。

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2010年1月15日のニュース