チーム一丸!三井住友海上7度目V

[ 2009年12月14日 06:00 ]

2年ぶり、7度目の優勝を果たし、喜ぶ渋井陽子(右から3人目)ら三井住友海上チーム

 スポニチ後援全日本実業団対抗女子駅伝は13日、岐阜・長良川競技場発着6区間42・195キロで行われ、16回目の出場となった三井住友海上が、2時間15分27秒で2年ぶり7回目の優勝を果たした。8月の世界選手権の女子マラソンを直前になって欠場した渋井陽子(30)が復帰し、3区で区間4位の力走。区間1位はいなかったもののチーム一丸の走りで、昨年就任した渡辺重治監督(40)に初の栄冠をもたらした。2連覇を目指した豊田自動織機は、序盤の出遅れが響き9位に終わった。

 ぶっつけ本番でも、チームメートを鼓舞するには十分だった。首位に21秒差の3位でタスキを受けた第3区。渋井はワコール・福士や天満屋・中村の実力者2人に抜かれはしたものの、区間4位の走りを見せた。「とにかく自分が一生懸命やれば(チームメートは)ついて来てくれそうな気がした」。3位で4区へつなぐと、チームは5区でトップに浮上。そのままアンカー・大崎がトップを守りきり、2年ぶりの栄冠に輝いた。

 「何とか男にしてやりたい、一緒においしいお酒が飲みたいという思いでした」

 昨年就任した渡辺監督への感謝の気持ちが、渋井を奮い立たせた。昨年のこの大会は2位。雪辱を誓った今年は、4月に左足付け根を負傷。8月の世界陸上の女子マラソンは右足甲の疲労骨折で直前になって回避した。「故障なんてしたことないのにした。4月からとにかく迷惑をかけてきた。監督のことしか考えてなかった」。監督への批判も耳に入り、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。わずか3週間で仕上げて迎えた本番。体力的には厳しかったが、気持ちで乗り越えた。

 11月の東日本大会は10連覇が途切れて4位。区間1位は1人もいなかったが、復帰したエースを中心に結束したチームは再び頂点に。「みんなに助けられた。駅伝だなと思いました」。そう話すと、渋井は思わず目頭を熱くした。今後については「全く白紙。これから考えます」。もうしばらく勝利の余韻にひたってから、渋井が完全復活への道を歩み出す。

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2009年12月14日のニュース