5年ぶり復帰も「天才少女」に突然のアクシデント

[ 2009年5月29日 08:53 ]

 強烈なストロークで第1セットを6―2と圧倒し、上位シードのデメンチェワを完全に浮足立たせた。2004年以来の出場で波乱を起こしかけた26歳のドキッチをアクシデントが襲ったのは第2セット途中だった。

 2―2の第5ゲームで最初のポイントを奪うと、突然腰を押さえて顔をゆがめた。「何が起きたのか分からない。急に痛みで動けなくなった」。ゆっくりといすに戻り、タオルで顔を覆ってトレーナーが来るのを待った。治療を受け、再びコートに立ったが動きはぎこちなかった。3―4になった時点で主審に歩み寄り、棄権を告げた。
 若くして世界に躍り出た旧ユーゴスラビア出身の「天才少女」には、薄幸のイメージが付きまとう。父親の奇行が競技生活に影を落とし、数々のトラブルでここ数年はツアーからも遠ざかった。
 今年1月の全豪オープンで8強に躍進し、成熟した選手として挑んだローランギャロスでけがに見舞われた。「原因はまだ分からない。検査で深刻でないといいのだが…」。気丈に臨んだ記者会見で、祈るように話した。(共同)

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2009年5月29日のニュース