豊ノ島ガッチリつかんだ「新関脇」

[ 2008年7月26日 19:24 ]

琴光喜を上手投げで下し、全勝を守った白鵬(左)

 大相撲名古屋場所14日目は26日、愛知県体育館で行われ、前日に7度目の優勝を決めた横綱白鵬は大関琴光喜を左上手投げで下し14連勝。千秋楽結びの大関琴欧洲戦に、大関だった昨年夏場所以来で2度目の全勝優勝をかける。

 琴光喜は10勝4敗。大関対決は魁皇が琴欧洲を小手投げで破り、ともに9勝5敗。大関千代大海も若の里を押し出して9勝目をマークした。
 関脇は安馬が豪栄道を小手投げで下して白星を2けたに乗せた。琴奨菊が雅山に引き落としで敗れ負け越したため、9勝目を挙げた小結豊ノ島の来場所の新関脇が確実になった。十両は3敗の北太樹と武州山が千秋楽に優勝をかけて直接対決。

 ≪小さな苦労人がデッカくなった≫幕内で一番背の低い1メートル69の豊ノ島が来場所の新関脇を手中にした。再小結で9勝目。関脇琴奨菊が負け越したため、時津風部屋では1978年夏場所の蔵間以来、30年ぶりの新関脇誕生が確実だ。25歳の小兵は「番付は小結より上。素直に喜びたい」と笑った。
 この日は朝赤龍と頭をつけ合う格好に。ただ、豊ノ島は体が小さくても引き技などに頼ることはない。押し出しでの勝利に「前に出ることだけを意識した。しっかり腰も足もついていけた。攻めて勝った」と納得顔だ。
 2005年、まだ幕内で勝ち越すこともままならなかったころのこと。「3年先のけいこ 目指せ三役」と自らしたためた紙を部屋の自室に掲げた。「本当は目指せ大関と書きたいところなんですけどね」。すぐに結果に結び付かなくても、我慢して稽古を積んだ。
 そして、その3年がたった。今場所は目標だった三役の地位で初の勝ち越し。貴乃花審判部副部長(元横綱)は「上を目指してほしい。相撲のセンスがいい。個性派なので人気も出ますよ」と絶賛する。千秋楽は「夢のよう」(豊ノ島)というこれより三役で千代大海に挑戦。1横綱2大関を破った勢いで、白星を手にしたい。

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2008年7月26日のニュース