朝青龍Wショック!2敗目&蒙巡業延期危機

[ 2008年7月18日 06:00 ]

朝青龍は栃乃洋(右)に押し倒しで敗れる

 朝青龍がダブルショックに見舞われた。大相撲名古屋場所5日目は17日、愛知県体育館で行われ、横綱キラー・栃乃洋に史上2位タイの12個目の金星を献上し、早くも2敗。横綱昇進後、序盤で2敗したケースはすべて優勝を逃しており、23度目の賜杯に黄信号がともった。追い打ちをかけるように、相撲協会が8月のモンゴル巡業の延期を検討していることが判明。発奮材料も失った。平幕の栃煌山が敗れたため、全勝は白鵬と安馬の2人となった。

【5日目取組結果


 まさかの敗戦に静まりかえる支度部屋。遠くを見つめる朝青龍には哀愁が漂っていた。「まあ勝負だからな。いい形になったけどね」。必死に強がるものの、最後は「うん、頑張る」と少年のような決意表明。最強横綱の面影はなかった。

 栃乃洋に得意の左を差され、プライドを捨てて頭をつけた。しかし、内無双が空振りしてバランスを崩し、相手に体を預けられたまま土俵下へ転落した。序盤で2敗したのは過去4度あるが、すべてV逸。データ的にも崖っ縁に追い込まれた。

 さらに、横綱が熱望しているモンゴル巡業(8月27、28日)が延期される可能性が浮上した。モンゴル国民大会議(国会)議員となった元小結・旭鷲山のダバー・バトバヤルさんがこの日、愛知県体育館を訪れ、巡業部と会談。6月29日のモンゴル総選挙で暴動が起きた影響で、議員定数76人のうちまだ10人が決まっておらず、8月上旬の再選挙では再び暴動が起きる可能性があると指摘した。勧進元の小林慶彦氏は「外務省に確認を取ったが、治安は問題ない」と話したが、巡業部は慎重な姿勢を崩さない。最悪の事態になった場合は来年6月に延期される可能性もあるという。

 朝青龍の親族が経営するサーカス場が会場に内定するなど、モンゴル巡業は「朝青龍巡業」とも言われている。支度部屋では沈んでいた横綱も巡業危機の話を耳にするや「誰がそんなこと言っているんだ!」と激高。「治安が悪ければ、オレが話をしたり、相撲が取れるか!」とまくし立てた。名古屋5連覇が絶望的となったうえに、巡業危機のダブルパンチ。6日目の若の里戦に敗れるようなら休場の危機に直面する。

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2008年7月18日のニュース