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J1清水が見せた復調の兆し 主力復帰、4―3―3回帰、若手台頭… タイトルへの序章はここから加速する

[ 2026年5月4日 13:13 ]

清水の吉田監督
Photo By スポニチ

 J1清水に“本来の姿”が戻りつつある。2日に行われた明治安田J1百年構想リーグ第14節・京都戦では今季初の逆転勝利を挙げ、連敗を3でストップ。3バックから4バックへ戻すなど戦い方も再整理され、停滞感も漂っていたチームに復調の兆しが見え始めた。

 大きいのは主力の復帰だ。MFカピシャーバは約1カ月ぶりに先発復帰。復帰2戦目で時間限定出場ながら後半24分までプレーし、持ち味の推進力で攻撃に勢いをもたらした。最終ラインの統率役でもあるDF本多勇喜は約1カ月半ぶりに先発復帰。背後を取られて失点に絡んだ場面こそあったものの、驚異的な跳躍力を生かした空中戦などで存在感を発揮した。負傷者が相次いだ時期は本来の強度を出し切れなかったチームも、ようやく陣容が整い始めている。

 戦術面でも大きな変化があった。吉田孝行監督は「本来は4枚(4バック)でやりたいが、どうしてもウイングにケガ人が多くてシステムを組めないという状況だった」中で、カピシャーバの復帰によって4―3―3への回帰を決断。3バック採用時は相手の対策に気を取られる部分もあったが、4―3―3ではそれぞれが役割を全うし、チームとしての迷いも薄れた。リーグ前半戦で積み上げてきたハイプレスやスピーディーに攻撃を完結させるシーンも随所に見られ、今季の清水らしいアグレッシブさを取り戻した。指揮官も「4枚の方が自分のサッカーでのメリットはたくさんある。プレスも効くし、カウンターもワイドに選手がいることによって生きる」と手応えを口にした。FW北川航也、MF井上健太のウイング陣は離脱が続くものの、チームは再び前へ進み始めている。

 一方で、前節までの4試合で採用した3―4―2―1も無駄ではなかった。システム変更によって出場機会をつかんだのが19歳のMF嶋本悠大だ。点の取れるボランチとしてのイメージが強いが、4―3―3では守備負担の大きい右インサイドハーフ(IH)でチーム内競争に苦戦。それでも3―4―2―1では一列前の2シャドーの一角で起用され、ゴール前へ飛び出す積極性やシュート意識の高さなど持ち味の攻撃性能を発揮した。その流れのまま、京都戦では4―3―3でもより攻撃的な左IHとして先発し、2戦連発。吉田監督も「元々ポテンシャルの高い選手でスケールも大きい。結果がついてきて、ますます成長していく選手」と期待を寄せる。右IHで攻守の調整役として活躍が際立つMF宇野禅斗の存在も、嶋本の躍動を支えている。

 苦しい時間を経たからこそ、チームには確かな変化も生まれている。主力の復帰、本来のシステムへの回帰、そして若手の台頭。点と点だった要素が、再び線としてつながり始めた。地域リーグラウンドは残り4節となり、6日の次節はホームでC大阪と対戦する。復調の兆しを確かなものにできるか。清水イレブンは「タイトル奪取へのプロローグ」を、ここからさらに加速させていく。(萱沼 魁渡)

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