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元アルビ戦士の成岡氏 J2降格となった新潟が再びJ1に戻って残留争いではなく、優勝争いするためには

[ 2025年10月28日 04:00 ]

26日の神戸戦で試合中は横断幕を掲げ、声援を送り続けた新潟サポーター
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 J1新潟OBで本紙評論家の成岡翔氏(41)による「翔’s eye」。今回は試合がなかった25日にJ2降格が決まってしまった古巣について、開幕から低迷した原因や、チーム再建に向けて山積している課題などを分析した。自身も所属していた17年のシーズンでJ2降格の屈辱を経験。再びJ1の舞台に戻り、残留争いではなく、優勝争いをするためには何が必要なのか。

 試合がなかった25日に降格が決まり、その翌日に神戸戦。選手たちはモチベーション的に難しいだろうな、と思って現地で試合を見ました。サポーターの反応(試合前は応援も横断幕も掲げず“無言の抗議”)は、やはり厳しかったですね。試合は0―2から追いついて負けなかったのは良かったですが、これまで熱心に応援を続けてきたサポーターにとっては、(厳しい声を飛ばした)試合後も含めて思うところがあったんだと思います。

 新潟の今季を振り返り、強く実感するのは一つの勝利がいかに大事であるか、ということ。序盤は初陣だった横浜M戦も含め、勝てた試合での引き分けが多かった。新しく樹森監督となって“こういうサッカーをやるんだ”というスタンスで、形も見えていたところで、初勝利が第9節までずれ込んだ。結果が出なければ“このサッカーでいいのか?”と疑心暗鬼になる。迷いが、そのまま結果に直結していったと思いますし、早く1勝ができていれば、全く違ったシーズンになっていた可能性もあります。

 6月下旬に監督が(入江徹監督に)交代。勝つためにクラブが決断したことですが、それによって何を得ようとしたのか、何の変化を加えたのか、それが見えなかったのが残念です。やってきたサッカーを全て変えるのは難しい。何を変え、何を継続するかを明確にすることが大事ですが、入江監督にとって難しかったのは就任直後の7月に一気に7選手が加入するなど大幅に選手が入れ替わったこと。チームの弱点を補う適切な補強であったとしても、これだけ顔ぶれが変われば戦術を落とし込むまでに時間がかかる。なかなか結果にもつながりませんでした。

 前回のJ2降格が決まったシーズンで自分も在籍していた17年も、チームはうまくまとまらなかった。負けた原因は誰のせい、とか、そういう話ばかりが出ていた。同じベクトルで絶対に残留するためにプレーしなければいけないのに。今年のチームも似たような雰囲気はあったのかもしれない。昔からいる選手も新加入の選手も“このチームをJ1に残す”と思っていたでしょうが、少なからず温度差はあったと思います。

 残り3試合。選手にはプロとして、あるべき姿を見せてほしい。結果もそうですが、細かいプレーも全力で。関わっている全ての人たちへの感謝を胸に、最後までやり抜く義務があります。アルビレックスは、新潟県民にとって大きな存在。選手たちが思っている以上に、J2に降格してしまったという喪失感は大きいと思います。

 この結果はクラブ、そして選手が招いたもの。なるべく早くJ1に戻り、残留争いではなく優勝争いをするために、クラブとしては指針を明確にしなければいけません。どういうクラブにしたいのか、どういうサッカーをしたいのか。選手たちが同じ方向を向ける環境や雰囲気づくりがいかに大事かを、今年は痛感したでしょう。まずはしっかり今季を分析し、“その場しのぎ”のサッカーではなく、中長期的な視点で再建していってほしいです。

 サポーターの皆さんは、これからも熱い応援でチームを支えてほしいです。選手も甘えることなく、共にチームを成長させていってほしい。OBとして、強く願っています。

 ▽新潟の17年シーズン 今季同様に開幕から波に乗れず初勝利は第7節。5月下旬から9月下旬にかけては16試合勝ちなし(4分け12敗)と低迷は続いた。11月18日にホームで行った第32節の甲府戦でシーズン初の連勝をマークも残留を争う広島が勝利したため、04年の昇格以来、14年目で初のJ2降格が決定。中野幸夫社長は「1年で戻ることを目標に掲げてチームづくりをしていきたい」などと話したが、18~22年をJ2で過ごした。

 ◇成岡 翔(なるおか・しょう)1984年(昭59)5月31日生まれ、静岡県島田市出身の41歳。藤枝東高では中心選手として活躍し、1学年上に長谷部誠、同学年には大井健太郎、岡田隆。03年に入団した磐田では背番号10も背負うなど、主にMFとして163試合に出場して22得点もマーク。計5クラブを渡り歩き、19年に地元の当時J3藤枝で現役を引退。J1通算303試合で35得点。U―17、U―20日本代表。1メートル75、70キロ。

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