中村俊輔氏 プレミアリーグなどでも主流 攻撃VS守備での5対5戦術「新時代」突入
【月刊中村俊輔 8月号】W杯イヤーとなる欧州の25~26年シーズンが開幕した。約1年後に迫った26年W杯北中米大会につながる重要なシーズンについて、横浜FCの中村俊輔コーチ(47)が、イングランド・プレミアリーグなどで主流となっている戦術や注目点などを語り尽くした。(取材・構成 垣内 一之)
「また新時代が来ましたよ」。いよいよスタートしたW杯イヤーの新シーズン。展望を聞くと、15日に開幕した世界最高峰のイングランド・プレミアリーグなどをチェックしていた俊輔氏は、はずんだ声でそう語った。
「今どきはプレミアをはじめ、どこの国にもドリブルで仕掛けられるウインガーがたくさんいる。対戦相手は5バックにして対応してきたけど、それではもうダメなんだよね。それを逆に利用するチームが出てきたから。ウイングにニアゾーン走られるのが嫌だから、(DFを)5枚にしているチームが多くなったけど、スペースを埋めたとしても、同数で崩せるようになってきた」
現代サッカーではバルセロナのスペイン代表FWヤマルや日本代表で言えば三笘、伊東など、サイドにはスピードや切れのあるドリブルで相手を剥がせるウインガーが多く君臨する。彼らが4バックのサイドバックとセンターバック(CB)の間のスペースを抜け、ペナルティーエリアの角を狙いにくる対策として、5バックへの変更で対抗してきたが、俊輔氏によれば、今は攻撃側がさらなる打開策を編み出した「新時代」に突入しているという。
「FWや中盤の選手が相手のCBのところに入ってきちゃうから、厳密に言えば守備側と攻撃側が5対5になるわけではないけど、どちらかのサイドで同数になる。そうやって人数がそろっているからこそ、逆に崩せるようになってきた。マンチェスターCは昨季からやり始めているけど、例えばCBのところにわざと入っていって、そこから逃げればスペースが生まれる。加えて前に人数をかけたからこそ、どのエリアから守り始めるのか、スタートポジションがクラブによって違うから、さらに面白いよね」
もちろん、注目ポイントは攻撃だけではない。「本当に細かいポジショニングとか落とし込みは、試合を見るだけでは分からないけど、攻める時は4バックなんだけど、守備の時は5バックとか、選手の特徴と戦術をうまく合わせているチームは気になる。あとはJリーグもそうだけど、ちょっとずつロングボールが増えてきた。そのパスに対して後ろに回り込む選手、セカンドボールを拾う選手を配置する。スペースと時間がないからこそ、ロングボールも重要になってくるよね」。
いたちごっこのように改善と進化を繰り返す戦術。今季も各チームの戦いから目が離せない。
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