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クラブユース選手権で川崎Fが決勝進出 パリ五輪で活躍の高井先輩より一足早く銀以上確定

[ 2024年7月30日 07:06 ]

日本クラブユースサッカー選手権(U―18)準決勝   川崎F・U―18 1―1(PK9―8)福岡U―18 ( 2024年7月29日    味の素フィールド西が丘 )

<川崎F・U-18VS福岡U-18>決勝進出を決めた川崎Fイレブン。同点弾の土屋主将(後列右から3人目)、PK戦でセーブのGK松沢(後列右端)、同点アシストの柴田(前列右から2人目)                              
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 川崎Fがクラブ史上初の決勝進出を決めた。福岡を相手に前後半80分を終えて1―1からPK戦に突入。互いに1本もミスなく9人目まで進み、最後はGK松沢成音(なおと、16)が止めて死闘を9―8で制した。

 後半23分に先制を許す苦しい展開で40分ハーフの後半も「4分」と掲示されたアディショナルタイムに突入。しかし、終了間近となっていた43分に主将のDF土屋櫂大(かいと、18)が起死回生の同点弾を決めた。1メートル81の高さを生かすために前線に攻め上がっていた中、ニアサイドでDF柴田翔太郎の右クロスに頭を合わせて試合を振り出しに戻した。

 「柴田がサイドでボールを持った時は必ずいいクロスが来ると分かっていた。信じて中に入ったら本当にドンピシャでくれた。柴田のゴールとも思うし、みんなでここまで来られたのでみんなのゴールかなとも思います」と土屋。期待に応えた柴田も「櫂大(土屋)が決めてくれて良かった。前に行っていたのは知っていたので」と笑顔で振り返った。

 2人そろって昨年のU―17W杯に出場したチームの主軸。長橋康弘監督(48)は「凄く仲がいい2人で、ああいう形になった時にどの辺に来そうだな、というのは土屋は分かっていたと思うし、柴田も分かっていたと思う。素晴らしいプレー」と称えた。

 大会規定で準決勝に延長戦はなく、1―1で突入したPK戦では先蹴りで1人目に柴田、2人目に土屋が決めてフィールドプレーヤー9人連続成功につなげた。守っては松沢が相手の9人目を阻止。左に跳んで残った右足をボールに当てた。

 「ボールを最後まで見て止めることができた。敵と戦うというより自分自身との戦い。止めるということだけに集中した」と松沢。PK戦突入時に浦上壮史GKコーチ(55)から掛けられた「ヒーローになってこい」という言葉を現実にした。

 川崎Fにとっては16、17年に続く3度目の挑戦で初めて準決勝を突破。土屋は「過去に2大会ベスト4で負けたことは知っていた。何としても自分たちで塗り替えよう、新しい歴史をつくろうとみんながみんな力強く思っていた」と振り返る。その一方で「まだ何も成し遂げていない。優勝してみんなで笑顔で終わりたい」と頂点を見据えた。

 パリ五輪ではU―18で2年先輩だったDF高井幸大(19)が日本代表の主軸として活躍。土屋は「先輩が世界で戦っているのを見ると刺激にもなる。いつかは日本代表で高井君とやりたいという強い思いもある。憧れでもありますけど、ああいう選手を越せるようになっていかないと」と訴える。五輪で56年ぶりのメダルを目指す日本代表より一足早く、こちらは銀メダルが確定。「高井選手に自慢できるのでは?」と声を掛けられると「いや、まだですね。あといっちょ勝って金メダルで終わりたいです」と笑顔で応じた。

 31日の決勝はG大阪ユースとの対戦が決定。川崎Fイレブンが初優勝に挑む。

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