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町田GK福井光輝が国立開催神戸戦でJ1初先発へ「目立たないように」7万大観衆の激レア経験生かす

[ 2024年4月12日 05:00 ]

練習中に言葉を交わす町田GK福井光輝(左)とGK谷晃生
Photo By スポニチ

 J1初挑戦で首位を走るFC町田ゼルビアは13日、今季最初の国立競技場でのホーム戦として昨季優勝の神戸を迎え戦う。特別な舞台でJ1初先発が有力なGK福井光輝(28)は「自分が目立たないように、ゴールを守ることを大前提に選択をしていきたい。みんなが助けてくれると思うし、プラスワンになれれば」と控えめに決意表明した。

 前節の7日川崎F戦で先発GK谷晃生が1―0の後半に一発レッドカードで退場し、同29分から緊急J1デビュー。全員の守りで数的不利をはねのけ、リードを最後まで守り抜いた。反響も大きく、サッカーに詳しくないという夫人は「途中出場を知ってから中継を見て、ヤバいヤバいとおびえていたらしいです。(帰宅時は)良かった~、って」と照れ笑いした。

 神奈川出身で日体大から町田に加入し、7年目の今季クラブとともにJ1の舞台へたどりついた。実はプロ入り前に、国内ではまず味わえない大観衆の中でプレーした貴重な経験があるという。同大学が北朝鮮の朝鮮体育大と学術・スポーツ交流協定を結ぶ関係で、福井が2年時の15年、男女サッカー部の選手団の一員として平壌を訪れた。

 金日成競技場で開催された交流試合は、7万人近くがスタンドを埋める「どアウェー」。「相手はほぼ代表選手。ウェーブしたり応援がすごかった」。後半から出場した福井は勝ち越し点を許して1―2で敗れた。それでも貴重な体験で身につけた度胸が、突然訪れたデビュー戦でも生かされた形となった。

 町田がJ2初の国立開催で3万8402人を集めた昨年7月の東京V戦は、ベンチで出番はなかった。それでも「この中でサッカーができるのは幸せ」と感じたピッチに、今度は自身が立つことが濃厚だ。チームは首位を快走中で、相手はJ1王者と注目度は高いが「いい意味で、あまり深く考えてない。川崎戦はスクランブル過ぎて頭の中がざわざわしたけど、スタートから出るなら目の前の相手を抑えるだけ」とシンプルに宣言した。

《黒田監督 覚悟でスタイル貫く》
 今季4試合を主催する国立での初戦としてあす13日、J1王者の神戸を迎える。現在首位のクラブはプレーが荒いなどの一部批判を逆手に取り「塗り替えろ。Jの常識を。」とするキャンペーンを展開。J2の昨季同じ国立で集めた3万8000人以上の動員を目指す。黒田監督は「勝ち負けよりも本気で取り組む姿を見せたい。批判覚悟で“これが町田だ”と。1年目の我々は安定よりひたすら立ち向かっていく、悪役レスラーじゃないけどそんなことも大事」と語った。

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