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「BIG神奈川ダービー」定着なるか 過去6年で優勝分け合ってきた横浜と川崎Fが7・15に激突

[ 2023年7月3日 09:10 ]

開幕戦の勝利を喜ぶ横浜の水沼(左)と喜田
Photo By スポニチ

 神奈川県に本拠を置く横浜F・マリノスと川崎Fは過去6シーズン、優勝を分け合ってきた強豪同士だ。17年から川崎Fが17、18、20、21年の4度、横浜F・マリノスが19、22年の2度、Jリーグを制してきた。「BIG神奈川ダービー」。近年の実績からいえば、このように命名されてもおかしくないだけの成績を残してきた両クラブが、7月15日に日産スタジアムで今季2度目の対戦を迎える。

 横浜市で生まれ、マリノスの下部組織で育ってきた横浜F・マリノスのMF水沼宏太は「同じ地域で毎年優勝を争っているチームになったというのは、僕が小さい頃からすれば考えられなかった。同じ地域でいつも優勝を争っているチーム同士になっていくことができれば、“BIG神奈川ダービー”というのもこれから大きなものになって、皆が意識するような試合になってくると思う」と火花散るダービーに成長させていくために熱い戦いを誓う。

 2月17日の今季開幕戦ではアウェーの横浜F・マリノスが昨季王者の力を見せつけて2―1で勝利した。それでも近年は川崎Fが過去6年のうちに4度優勝と力を見せつけてきただけに「(20年に)マリノスに帰ってきてから勝ったイメージがない」と明かす。優勝するためには必ず倒さなければいけない相手という認識で「勝てば1位にいけるという意識は確実に生まれてきている。今、フロンターレは調子がよくなくて下(10位)にいるけど、強いチームというイメージがあるので順位はあまり意識していない」と話す。

 水沼にとって思い出深いダービーは、17~19年に所属したC大阪時代に経験したG大阪との大阪ダービーだという。3万6990人が詰めかけた19年9月28日の一戦は、水沼のゴールもあって3―1で勝利。「ダービーとはどういうものだっていうのを初めて知ったのが、今思うと大阪だった。マリノスにいたときも横浜ダービーや神奈川ダービーを経験していましたけど、ダービーってこんなに盛り上がるんだって。サポーターの人たちもそうだけど、クラブの人もそこに対しての思い入れがある。選手たちもめちゃくちゃ意識しているんですよ。ガンバだけには絶対負けたくないって。そういう選手たちがいると、僕は大阪育ちじゃないけど絶対にガンバに負けたくないって気持ちになってくる。そういうのが派生して盛り上がっていくのを凄く感じた。スタジアムの雰囲気も凄く異様な感じだった」と振り返る。

 ジュニア年代にも強いマリノスを見せつけたいという思いが強い。「僕が小さい頃、横浜周辺に住んでいる人の夢はマリノスの選手だった。今はマリノスよりフロンターレ(の下部組織に)に流れる選手が増えている。市は違うけど神奈川県で行きたいチームが増えているのは、マリノスで育った選手からしたらちょっと寂しいなって思いもあるけど、それだけのライバルチームが現れたのは地域が盛り上がるという意味ではいいことだと思う。結局、子供たちはトップチームが強いチームに入りたいから。自分の地域のチームで“マリノス強いだろ”って自慢できるような試合を見させてあげたいなと思う」。過去6年で築き上げてきた両クラブの実績は申し分ない。そして、今後も神奈川、そしてJリーグ全体をけん引していくためにも、今後両クラブがプライドをぶつけ合う熱い戦いを繰り広げていくことを期待したい。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2023年7月3日のニュース