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森保ジャパン高難度新戦術“偽サイドバック”不発 鎌田「何が正解かも分かっていなかった」

[ 2023年3月29日 04:50 ]

国際親善試合   日本1ー2コロンビア ( 2023年3月28日    ヨドコウ )

<日本・コロンビア>後半、浅野を投入する際、指示を出す森保監督(左)。浅野の左手にはメモが(撮影・西海健太郎)
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 第2次森保ジャパンが目玉の一つに掲げた新戦術に2試合連続でトライしたが、FIFAランクで上回る強豪撃破とはならなかった。W杯からの上積みを図る森保監督は「新しい戦術のチャレンジと、新たな選手の融合は簡単ではない」ともどかしさを抱える。

 「世界一」を目指す新体制に入閣した名波浩コーチ(50)が中心となって、選手に新戦術を落とし込んできたのが“偽サイドバック(SB)”と呼ばれるシステムだった。

 SBが中央に絞り、ボランチの高さに位置取ることで起点になるほか、守備時はCBの役割も担うというマンチェスターCなどが採用する戦術だが、今回の2試合では選手間の混乱の解消とまではいかなかった。この日、ボランチに入った鎌田は「SBとかぶらないようにしないといけないし、(チームが)何が正解かも分かっていなかった」と立ち位置の難しさを指摘していた。森保監督も「選手が変わった中で全てがスムーズにいくのはなかなか難しい」とコンビネーション習熟へ課題は多い。

 ただ、収穫も少なからずあった。前半38分にはA代表デビューのDFバングーナガンデが中に絞ると、サイドの三笘へパス。三笘のクロスは得点に結びつかなかったが、狙いの攻撃の形が出た。ウルグアイ戦でも菅原が伊東との連係でアシストを引き出すなど、世代交代を模索する中で、両SBは今後の可能性を感じさせた。

 新たな挑戦は成功したとは言い難い。それでも本気で世界一を狙う指揮官は「安定だけを求めればこれまでの選手起用でいいが、未来を見据えて戦い方の選択肢を増やすことは絶対に必要になる」と継続することを誓った。

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