×

岡山学芸館 師王止めた!GK平塚が仁王立ち「3年生とまだ試合ができる」 激闘PK戦制し初の決勝進出

[ 2023年1月8日 06:00 ]

第101回全国高校サッカー第6日・準決勝   岡山学芸館3―3(PK4―1)神村学園 ( 2023年1月7日    国立 )

<神村学園・岡山学芸館>PK戦に勝利し沸くGK・平塚(中央)ら岡山学芸館イレブン(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 準決勝が国立競技場で行われ、2試合ともPK戦で決着した。岡山学芸館は3―3で突入したPK戦で、ドイツ1部ボルシアMG入りするFW福田師王(しおう、3年)を擁する神村学園(鹿児島)に4―1で勝利。GK平塚仁(2年)が福田のPKをストップする活躍で、初の決勝進出を決めた。東山(京都)は2大会連続で決勝進出を狙った大津(熊本)と対戦し、1―1で突入したPK戦を4―2で制し、初の決勝に駒を進めた。決勝は9日に行われる。

 歓喜の輪の中心に2年生守護神、平塚がいた。「喜んで泣いている3年生もいた。自分が(PK戦で)止めて、3年生とまだ試合ができる。今までにない、うれしさがあった」と笑みをこぼした。
 2度追いついて突入したPK戦。1人目こそ決められたが、2人目のキックは左のポストにはじかれ、味方は全員が成功。リードした状態で3人目の福田を迎えた。

 「相手の性格、その試合でのプレー内容や何年生なのかを考えて、蹴る前には相手の状況を観察して跳ぶ方向を決めている。(福田の時は)左に跳んだけど“真ん中に蹴るかも”と考えていたので、ボールを最後まで見て足に当てるのもあると思っていた」

 左へ跳んだ平塚は中央へのボールを、残した足ではじいた。本人は「勘が大きい」と言うが、データだけではない当日の調子なども計算した精密なセーブ。これで3―1となり、勝利を決定づけた。

 父はツアー6勝のプロゴルファー平塚哲二(51)。「しんどい顔を見せるな」という助言を胸に大舞台でプレーした。「苦しい時でも“自分は余裕だ”と見せる。まだやれるのか、という圧を相手に与えることを父から学びました」。4日の準々決勝の翌日には電話をかけ、「スタジアムの空気にのまれないように頑張れ」とエールをもらった。

 2年生らしからぬ落ち着きは、W杯で“神セーブ”を連発した日本代表GK権田を見習ったもの。「今がどういう状況かはGKが一番見えている」。シュートを止めても味方とハイタッチせず、CKなど次へ備える。テレビ画面の向こう側の頼もしい姿は大きな刺激だった。父と日本代表の守護神から良い部分を吸収し平塚は大会中でも成長を止めない。次は無失点でチームを大会初制覇へ導く。

 ◇平塚 仁(ひらつか・じん)2005年(平17)10月12日生まれ、京都府出身の17歳。小学校時代はアミティエSC草津、中学校時代はMIOびわこ滋賀でプレー。好きな選手はブラジル代表GKアリソン(リバプール)で、将来の夢はJリーグで活躍すること。尊敬する人は父。50メートル6秒0の快足も誇る。1メートル84、73キロ。利き足は右。

続きを表示

2023年1月8日のニュース